• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

同性カップルと子どもに関する縦断調査:クイアな家族形成過程に対する支援の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 16K02041
研究機関大手前大学

研究代表者

藤井 ひろみ  大手前大学, 国際看護学部, 教授 (50453147)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードLGBTQ / SOGI(性的指向・性自認) / 同性パートナー / レズビアン / 家族形成
研究実績の概要

今年度は研究計画の最終年度であったことから、以下1~2を実施した。全体的にCOVID-19の感染拡大による影響を受け、研究進捗は遅れかつ海外での活動は中止した。海外有識者等へのインタビューは今後、書面にて実施するための準備として下記2(1)を実施した。
1. 縦断的調査の継続:本年度の研究参加者(縦断インタビュー)は4名であった。今年度は、昨年から引き続く散発的な緊急事態宣言下にあり、研究参加者は全員が外出や人流の少ない活動範囲の中で生活を続けていた。全員が緊急事態宣言期間中も保育所を利用し勤労していた。パートナーが別居の場合は、この間の接触はSNSのみとなって、緊急事態宣言解除後も接触の限定を想定し始めていた。また実子の親となる以外に、里親になろうとし始めている研究参加者もあった。緊急事態宣言期間は同居家族の重要性を相対的に高めたが、同性パートナーと子育てをする女性にとっては、家族を社会に開いていくことへのニーズを高め、暮らし方を選択しなおす行動への契機となっていたことがうかがえた。
2. インタビューデータの分析結果報告:(1)英文報告書の作成準備、(2)学会発表、(3)研究参加者向け発表機会の確保
3. 要約:本研究の縦断調査期間には、当初予想もしていなかった世界的なCOVID-19の感染拡大による影響を誰もが被った。しかしそのような状況下でも、生活を営む上で身近な場が多様な家族的関係を認めることで、大きな社会制度的・法的変化が不完全な(全国的施策はない)状況であっても、多様な家族形成は可能となることの実証となる事例が、本研究によって確認できた。つまりクイアな家族形成過程には、保育所や学校などの母子保健や子どもの成育、子育て資源に関わる市町村など当事者の生活に近い場において充実させていくことが、支援として重要であることがわかる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」からみたシスジェンダーのレズビアン・バイセクシュアル女性における家族形成ニーズ2021

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ、布施香奈、釜野さおり
    • 雑誌名

      母性衛生

      巻: 62(2) ページ: in printing

    • 査読あり
  • [学会発表] 同性パートナーと子育てをする女性の家族形成過程2021

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ
    • 学会等名
      第35回日本助産学会学術集会
  • [学会発表] 同性パートナーと子育て中の女性から見た2021

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ
    • 学会等名
      日本保険医療社会学会第47回大会
  • [図書] 母性看護学Ⅰ概論第2版 女性・家族に寄り添い健康を支えるウィメンズヘルスケアの追求: 第1章リプロダクティブ・ヘルスの基礎「リプロダクティブ・ヘルスに関わる概念」2020

    • 著者名/発表者名
      有森直子
    • 総ページ数
      228
    • 出版者
      医学書院
    • ISBN
      978-4-263-23736-6
  • [図書] レズビアンヘルスと看護研究―レズビアン・バイセクシャル女性が安心して受けられる医療・健康支援とは2020

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ
    • 総ページ数
      196
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      978-4771028418

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi