研究課題/領域番号 |
16K02046
|
研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
赤松 淳子 文京学院大学, 外国語学部, 助教 (60723004)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 婚姻の破綻 / 交渉 / 財産相続 |
研究実績の概要 |
本研究は、18世紀イングランドの別居訴訟において妻たちが自身の婚姻上の権利や利益をどのように追求したかを男性の法専門家やアドバイザーの働きをとおして明らかにする試みである。3年目にあたる本年度は、昨年度に引き続き、家族文書を中心とする一次史料の収集を行った。別居訴訟の裏側で交わされた家族間の交渉や訴訟に関わる財産相続の史料による事例研究を進めるため、2019年2月から3月にShropshire Archives、Bristol Archives、Lambeth Palace Library、London Metropolitan Archives を訪れた。Shropshire Archivesでは、18世紀末のCorbet家の文書、Bristol Archivesでは18世紀前半のDineley家の文書を調査した。ロンドンのLambeth Palace LibraryとMetropolitan Archivesでは、両事例に関する補足情報を得た。 これまで調査してきたチョムリー家の婚姻の破綻についてInternational Federation for Research in Women's History Conference(Vancouver)および International Conference on Gender Studies 'Gender and Power' (London Centre for Interdisciplinary Studies, London)にて報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究目的を達成するための史料で入手可能と思われるものはこの3年間でほぼ入手できたが、分析軸をより明確に定める必要がある。収集できた18世紀の史料のなかでも18世紀中ごろの史料に不足を感じるが、これにあとどれだけ時間をかけるか見極めなくてはらない。イギリス国立公文書館にて入手した弁護士の手稿の読解が難しく予定より時間がかかっている。同史料を論にどのように組み込むか検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度中にこれまでに入手した一次史料の読解を終えることを目標とする。途中で補足史料が必要と判断した場合は、2020年の3月・8月にイギリスにて史料調査を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
調査・学会旅費が予定よりもかからなかった。次年度は、文献購入、学会・補足史料の調査のための旅費にあてる予定である。
|