研究課題/領域番号 |
16K02046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
赤松 淳子 学校法人文京学院 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (60723004)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | イングランド / 結婚の破綻 / 教会裁判所 / 弁護士 / 男性アドバイザー / 交渉者としての女性 |
研究成果の概要 |
本研究では、18世紀イングランドの夫婦間の別居訴訟において妻たちがどのように自身の利益を追求したのかを、妻側に立って夫と交渉した弁護士や男性親族の働きを通して分析した。上訴裁判所が置かれたロンドンに焦点を絞り、1)訴訟における夫婦間の力関係がどのようであったか、そして2)訴訟を含めた結婚の破綻のプロセスにおいて弁護士や男性親族がどのように訴訟に関わっていたかを明らかにした。以上の2点から、婚姻上の権利をめぐる女性たちの意識に男性アドバイザーが与えた影響について論点を示すことができた。
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自由記述の分野 |
近世イギリス史・ジェンダー史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
女性のエンパワメントはどのようにして可能になるのか。本研究は、イギリス史を通してその問いを探る試みとなった。イギリス史において、組織的なフェミニズムの始まりは19世紀とされ、その歴史像は女性運動家を中心に描かれてきた。本研究は、18世紀にまで遡ることで、フェミニズム運動の前史となる結婚の破綻をめぐる人々の経験に光を当てた。とりわけ、女性のエンパワメントのプロセスにおける「男性の働き」という視点を提示することで、フェミニズムを生成するジェンダーの文化的土壌がどのようなものであったのかについて論じることができた。
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