研究実績の概要 |
サブテーマ①「ソ連占領地域での性病問題への対応と性規範の形成」では、占領期および1950年代前半の性病蔓延防止対策および性暴力に関する史料収集を、ベルリン国立図書館、ドレスデン州立中央公文書館、ドレスデン州立図書館で行った。
サブテーマ②「東ドイツにみるセクシュアリティの管理・監視体制からの解放」では、2017年にドレスデンで実施したアンケート調査の結果を論文「Familie, Ehe und Sexualitaet in DDR und BRD in den 60er und 70er Jahren, einschliesslich einer Fragebogen-Pilotstudie mit DDR-ZeitzeugInnen(1960-70年代、東西ドイツの家族・結婚・セクシュアリティ:旧東ドイツ人への試験的アンケート調査結果から探る)」にまとめ、ドイツの雑誌BIOS-Zeitschrift fuer Biographieforschung, Oral History und Lebensverlaufsanalysen (ISSN: 0933-5315 | ISSN Online: 2196-243X)に投稿した。本研究では、西ドイツ時代から現在まで続くアレンスバッハ世論調査報告書(1958-1983年)や東ドイツでの統計・世論調査の内容を確認したうえで、旧東西ドイツの異なる政治社会において、①ライフコース、性についての考え方や性行動、②産児制限・性教育・避妊・妊娠中絶に関する規制、③売買春、同性愛、セクシュアリティの大衆化の捉え方といった点でどれほどの相違が存在したのかを明らかにすることで、東ドイツ史の新たな一面を浮かびあがらせた。
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