研究課題/領域番号 |
16K02053
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
小倉 祥子 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (60383189)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ジェンダー / キャリア形成 / ノンエリート女性 / 経済的自立 |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究実施計画では、1)「女性の職業キャリア研究」に関する先行研究の分析から事例研究への情報収集、2)政府統計データの分析を行う予定であった。 前者の研究については研究会を開催し、東京において、2016年5月7日、9月7日、11月15日、12月20日、2017年1月31日、3月21日の勉強会を開催した。後者については、予定していた「出生動向基本調査」(社会保障・人口問題研究所)への個票データ申請を試みたが、申請に関する電話相談の中で、研究内容とそぐわないのではないかと判断したため申請には至らなかった。そのかわり、「国勢調査」「就業構造基本調査」(総務庁統計局)を利用し、女性の職業選択についての偏りや、学歴による就業率の変容などの分析を行った。また「家計調査」を時系列で分析し、勤労世帯の妻の就業状態と世帯の所得に関する研究を行った。そこから2000年以降の世帯の貧困化を明らかにし、女性の就業が家計へ強く影響していることを示し、学内紀要に論文を投稿した。 企業調査への事前調査としては、日本女子大学名誉教授の高木郁朗先生より、関西電力の子会社であるA社(ビル清掃業務)の事例を分析してはどうかとのアドバイスを受けることが出来た。 学会関連の活動では、主に情報収集のために、日本家政学会第68回大会参加(金城学院大学)、国際家政学会でのポスター発表(韓国:大田市)を行い、研究者との情報交換や交流を図った。なお他の日程と重なりがあったため、予定していた「日本社会政策学会」「生活経済学会」への参加は見送った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた政府統計データ「出生動向調査」の個票データについては、職業キャリアとの関わりについて分析するのは難しいのではないかと判断し、他の「国勢調査」「就業構造基本調査」へと変更した点から、予定通りではないが、それに替わるデータ分析を行っていることから、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、昨年に引き続き、研究会を月に1度程度開催する予定である。その席において、労働経済学、法律、生活経済学といった領域の研究者からアドバイスや指摘を受け、本研究のテーマである「ノンエリート層に焦点をあてた、女性のキャリア形成の変容」について分析を深める予定である。 また、本年度には昨年度に研究会でまとめた政府統計データ等をもとに論文を執筆し、学内紀要(椙山女学園大学研究論集、人間関係学研究)へ投稿する予定である。 一方、平成30年度に予定している女性の企業内のキャリア形成についてヒアリング調査を引き受けてくれそうな企業労働組合への調査も並行して行う予定である。 その他の情報収集のために、「日本家政学会」「社会政策学会」への学会に参加するつもりである。
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次年度使用額が生じた理由 |
支出を予定していた、国際大会への参加費納入が大会本部の規定により、平成27年度中だったため、予定していた旅費(飛行機・宿泊費)およびその他(大会参加費)の支出が少なくなっている。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に予定していた物品費にてパソコンの購入を行う予定である。また、東京における研究会に月に1度程度開催する予定である。
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