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2016 年度 実施状況報告書

日仏雑誌にみる子育て観とジェンダー観―妊娠・出産・育児をめぐる言説分析を通して

研究課題

研究課題/領域番号 16K02055
研究機関京都外国語大学

研究代表者

石丸 久美子  京都外国語大学, 外国語学部, 講師 (90586801)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード日仏マタニティ・育児雑誌 / 妊娠・出産・育児 / 言説 / 子育て観 / ジェンダー観
研究実績の概要

平成28年度は、本研究の目的である、日本とフランスのマタニティ・育児雑誌における妊娠・出産・育児をめぐる言説を分析し、それぞれの国での子育て観、ジェンダー観を比較検討するという目標設定をふまえ、研究基盤となる1. 資料収集、2. 分析枠組みの検討、3. 雑誌見出し内容のデータ化、翻訳、テーマ別構成分析を実施計画とした。
まず、1. 資料収集については、予定していた通り、各国において発行部数の多い雑誌を対象とし、平成28(2016)年1月-12月発行分の収集を行った。フランスの雑誌としてはParents(月刊誌)、Famili(隔月刊誌)をデジタル版で入手した。日本の雑誌では、『ひよこクラブ』(月刊誌)、『たまごクラブ』(月刊誌)、『Baby-mo』(季刊誌)、『Pre-mo』(季刊誌)を入手したが、日本ではデジタル版が直近2か月のものしか購入できないことから、長期間にわたって紙媒体のバックナンバーを探し、入手した。
2. 分析枠組みについては、まだ検討中であり、これは3. のより詳細なデータ分析が進んだのち、より具体的な方策、決定が可能になると考える。また、平成29年度には、本研究の方法論として使用するフランス学派言説分析の著書の翻訳書刊行を目指しており、共同翻訳者(筆者と同じく言説分析者でジェンダー学研究者)との翻訳作業、議論を通じて方法論について検討、考察することができた。
3. 雑誌見出しのデータ作成、翻訳、分析に関しては、見出しのデータベース構築はすでに完了している。ただ、1. に述べたように調査雑誌の入手に時間がかかった結果、全体的な作業が遅れ、フランス雑誌コーパスの翻訳と内容のテーマ別分類については引き続き作業を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

調査対象雑誌の入手に時間がかかったため。フランスの対象雑誌については、デジタル版を容易に入手できたが、日本の対象雑誌はデジタル版が直近2か月のものしか購入できないことから、長期間にわたって紙媒体のバックナンバーを探し、入手した。そのため、全体的な作業に遅れが生じ、フランス雑誌コーパスの日本語翻訳と内容のテーマ別分類については次年度に行うこととなった。

今後の研究の推進方策

まずは平成28年度の作業を継続していく。特にデータのフランス語翻訳とテーマ別分類を完了させる。次に、平成29年度の実施計画である雑誌内容の詳細分析に入っていきたい。
具体的には、1. 雑誌見出しデータベースに出現する社会的価値観、通念を内包するステレオタイプ的発話を分析し、その頻度調査、テーマ別分類を行う。このステレオタイプ的発話の分析は、日本とフランスで類似のテーマを扱った記事をいくつか選択し、それらにおいても同様に実施する。
次に、2. 発話・伝達のメカニズム分析として、雑誌見出しの特徴を把握、解明するとともに、上記記事においてどのような「発話装置」「言語マーカー」が使用されているかを調査する。
3. さらにマクロな観点から、雑誌見出しと上記記事にどのような意味価値を持った語が含まれているかを調べる。また、雑誌記事のページ構成、写真、図像等には記号論的、ジェンダー学的視点からの解釈も加えたい。

次年度使用額が生じた理由

分析対象資料の入手に手間取ったことから、分析調査作業に全体的な遅れが生じ、次年度使用額が生じることとなった。

次年度使用額の使用計画

分析調査作業を進める際に必要となるPC関連品、コピー用紙、文具、文献複写費等として使用する計画である。

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公開日: 2018-01-16  

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