本研究は、男性介護者を含む家族介護者支援の日本での具体化の一環となる。介護殺人の7割が男性加害者、同時に介護殺人の7割のケースで介護サービスを利用していた実態を踏まえ、公的サービスの充実だけではなく、介護者自身に寄り添うインフォーマルなピアサポートが重要であると考えた。とりわけ、男性介護者に介護殺人が多いケースでは、SOSをうまく出すことができず、一人で抱え込んでしまう孤立化が生じやすい。本調査では、男性介護者の会やつどいの開催は、150を超えることが分かった。男性性が強化されることもあるが、感情を通じた新しい男性同士のネットワークの構築の可能性を確認することができた。
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