• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

ミクロネシア女性の身体をめぐる生と姓

研究課題

研究課題/領域番号 16K02062
研究機関関西学院大学

研究代表者

李 恩子  関西学院大学, 国際学部, 教授 (50580586)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードミクロネシア / 女性 / 身体 / ジェンダー / 生殖 / パブリックヘルス
研究実績の概要

2018年度は2回にわたって、ハワイ大学のアジア太平洋センターの教員たちとミクロネシア地域に関する共同研究の可能性を確認した。研究代表者が属する機関で公開講演会とこの領域に関連する研究者とのワークショップあるいはセミナーを2019年度か2020年度に開催できるように調整を継続していく。また同大学にある南洋コレクションアーカイブで資料収集することができた。膨大な資料の検証はまだまだ時間のかかる作業であるが、今回のリサーチを通して本研究の今後の方向性がより明確になった。加えて、ミクロネシアからハワイへの移住労働者として生活している人達に聞き取り調査を行った。この聞き取りにより過去ミクロネシア現地でのインタビューとは違う側面の問題が見えてきた。例えばWWII直後日本の統治からアメリカの統治に移行する際に「残留地縁」とも言える日本人あるいは沖縄人の間に生まれた子供たちへの具体的な政策が両国政府によって施されたのかなどである。また、現在の問題として移住労働者はその滞在が長引く中で経済的問題、社会での周辺化などに加え、医療保健の補償対象がいつ変更されるかわからないというような不安定な状況にあり、成人病とともに生殖に関する問題等パブリックヘルスに関する問題意識が現地とは大きく差があることがわかった。その点についても今後ジェンダーの視点からまとめていく予定である。
現在の問題をより深く分析するために、歴史的コンテキストの再検証の必要性を感じ、それを探る目的で委任統治時代をさかのぼる日英同盟の資料を探すためにロンドンにある国立公文書図書館に出向いたが手続き上の問題から資料にアクセスできなかった。今後の継続リサーチのためロンドンにいる知人の協力を得てこのことも課題としたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

学内業務の多忙に加え、新しく史料収集を始めた、ハワイ、イギリスでのリサーチは事前準備が大変であったことや報告者のスコープが少し変更したことにもよる。

今後の研究の推進方策

委任統治領の一つであったマーシャル島はまだ踏査にでかけたことがないゆえ、今年度に必ず、フィールドリサーチを終える予定である。そして、出版予定としては収録予定の論文に加え、もう一本他の媒体を介して発表する予定である。また、戦争、記憶、忘却をキーワードで研究している研究者とのセミナーなどを通してこの地域との関連性を探っていく。

次年度使用額が生じた理由

大学業務に忙殺されたことに加え、編著を出版すべき、論文投稿者との調整などに思った以上の時間がかかり出版が出来なかったため未使用額が生じた。2019年12月末を締め切りとし、2020年3月に一冊の本にまとめる予定である。

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi