本研究は、小規模島嶼及びその関連地域を対象とし、ジオツーリズムを持続可能な観光の一形態と位置づけた上で、地域に与えるプラスやマイナスの影響について把握し、今後の持続可能な観光の方途について検討を加えることを目的としておこなった。 その結果、ジオツーリズムやエコツーリズムなど、観光形態を指す用語の違いはあるものの、持続可能な観光を指向するうえで、今後我が国に表出するコミュニティ維持の困難さが先行してみられる小規模島嶼では、観光対象となる自然資源や文化資源を保全する担い手不足も深刻化していることが明らかになった。その際、観光客と地域住民との相互啓発の場としての観光教育の充実の必要性が示唆された。
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