| 研究課題/領域番号 |
16K02079
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| 研究機関 | 獨協大学 |
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研究代表者 |
山口 誠 獨協大学, 外国語学部, 教授 (80351493)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | メディア・ツーリズム / 観光のまなざし / 再帰性 / 観光理論 / メディア研究 / ツーリズム研究 |
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| 研究実績の概要 |
日本型メディア・ツーリズムの実証的研究と理論構築を主題とする本研究では、助成期間の1年目として、(1)国際的な研究動向の網羅と体系化、(2)フィールド調査の準備と研究協力の確保、(3)国際ジャーナルへの投稿の準備、の3点に主に取り組んだ。
まず(1)では、Annals of Tourism Research, Tourism Management, Tourist Studiesのツーリズム研究の主要3誌におけるメディア・ツーリズムに関連する論文を収集し読解する作業に着手した。これによりメディア研究の知見がツーリズム研究においてどのように接続されてきたかを分析し、今後の体系的な読解の作業にむけて主要な論点の整理をおこなった。
つぎに(2)では、香港とグアムにおける現地調査を実施し、それぞれのフィールドでメディア・ツーリズムの歴史と現状について関連資料を収集した。とくにグアム調査では現地政府が改築中のグアム・ミュージアムの展示責任者への聞き取り調査を実施することができ、博物館展示と連動したメディア・ツーリズムの新しい展開に関連する貴重な知見を得ることができた。
また(3)では、2016年7月に観光学術学会で共に登壇したベルギーのツーリズム研究者J. ラースン氏との議論から、国際ジャーナルへの投稿のために必要な論理的組み立てと新しい分析枠組みの提示の方法などについて、いくつかの助言を得ることができた。さらに同氏からは(1)と関連して、ヨーロッパを中心とするツーリズム研究における新たな動向についても重要な知見を得たため、次年度以降の研究計画に反映させる予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に予定していた現地調査2件のうちグアム調査では、これまで10年あまりの調査実績があるため計画以上の成果を得ることができたが、他方でハワイ調査は新しい研究テーマに関連する先行研究の体系的読解の作業が終了できなかったため、これまでの調査実績があり、かつ2年目に予定していた香港調査を1年目に先行して実施することとした。香港では戦後の同地における日本人観光に関する一次資料の収集を試み、また現在のメディア・ツーリズムに関する事例の発見に努めたが、関連資料が予想以上に膨大に存在したため今回の滞在期間にそれらを十分に実現することはできなかった。香港の調査と研究については、改めて今後の課題としたい。
なお国際的な研究動向の文献調査については、国内外のツーリズム研究者との交流により当初の計画以上に作業を進めることができた。また申請時には4年目以降に予定していた国際ジャーナルへの投稿も2年目から着手する予定であり、これら2点については当初の計画以上に進展しているため、概ね良好な研究活動を実現することができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き(1)国際的な研究動向の網羅と体系化、(2)フィールド調査の準備と研究協力の確保、(3)国際ジャーナルへの投稿の準備、の3点に取り組む。具体的には(1)ツーリズム研究における主要3誌に加え、より広範な国際ジャーナルについても網羅的に文献調査をおこない、メディア・ツーリズムに関する先行研究の読解と吸収の作業に尽力する。(2)前年度の香港調査との比較のため、香港と同様に日本人観光が古くからおこなわれてきた台湾に着目し、現地調査のための準備作業ならびに同地におけるケーススタディの選定に着手する。また1年目とは異なる時期にグアム調査を実施し、現地における日本人のメディア・ツーリズムの事例分析を試みる。さらに(3)国際ジャーナルへの論文投稿を準備するため、海外の研究協力者の助言を得て論文を執筆し、また必要に応じて英文校正サービスを利用することで、本研究の成果を国際ジャーナルで発表する作業に取り組む計画である。
なお現時点で構想しているメディア・ツーリズムに関する新たな理論的構築を展開するため、当初計画していた海外5地点の調査とあわせて、沖縄県、大刀洗（福岡県）、神戸市（兵庫県）の国内3地点の事例調査を並行して試み、それぞれの地点における異なるツーリズム現象について類型化を試みることで、日本型メディア・ツーリズムの特徴を考察する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
調査準備に予定以上の時間が必要なことが判明したことから、当初の研究計画では1年目に予定していたハワイ調査を2年目以降に実施することとし、その代わりに既に調査実績を有する香港への調査を先行して実施したため、ハワイ調査の旅費と関連する洋書の購入代金が残金となった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
研究計画は順調に進んでいること、また1年目の調査対象地となった香港と比較するために2年目には台湾と国内3地点（沖縄、大刀洗、神戸）の調査に着手して国内外のツーリズム事例の比較分析を優先して取り組むこと、の2点により、台湾調査および国内3地点への調査旅費と関連する資料の入手のために支出する計画である。
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