研究課題/領域番号 |
16K02081
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
今井 重男 千葉商科大学, サービス創造学部, 教授 (40596657)
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研究分担者 |
内田 彩 千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (60632750)
松本 大吾 千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (60434271)
石井 裕明 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (50548716)
MILLER KEVIN 千葉商科大学, サービス創造学部, 講師 (00751588)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ブライダルツーリズム / リゾートウエディング / ブライダル産業 / 新婚旅行 / 経営学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、リゾート地・観光地における挙式とそれに伴う旅を「ブライダルツーリズム」と仮定し定義を確立したうえで、その創造と発展や関わる産業(特に地域振興等)に対して広く知見を還元することにある。 平成29年度は前年度における研究成果を踏まえた上で、新たなツーリズムとしての「ブライダルツーリズム」の定義を試みた。具体的には昨年に引き続き文献調査を精力的に行い広範囲の情報収集を行うと共に、各分担者が観光史の観点から文献調査・フィールドワーク、マーケティング・消費者行動の観点からアンケート調査などを行った。さらに研究会を7回行うことで研究を深化させるとともに、日本におけるブライダルビジネスの発生と変遷を整理することで、「ブライダルツーリズム」の歴史的・文化的背景を理解すること中心に研究を行った。 こうした一連の研究を通じて、日本におけるハネムーンの定着が大正から昭和にかけてメディアで繰り返された新婚旅行の「意味」や「心得」が庶民にとって新婚旅行が受容されていく過程となったことに加え、第二次世界大戦後の高度成長期以降の旅行形態の変化が消費者(カップル)に大きな影響を与えており、マスツーリズムの展開がハネムーンの発展・拡大を促したこと、さらに新婚旅行目的地としての観光地及び宿泊施設に大きな影響を与えたことが明らかになった。さらに現代の消費者における新婚旅行選択に関する意識を明らかにすべくアンケート調査・分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的な文献調査の渉猟と整理を続ける共に研究者の専門分野に応じた調査・研究を行い、ブライダルツーリズムの歴史的・文化的背景を明らかにし、ブライダルツーリズムの基礎研究を深化させ、その成果を国内学会で報告したほか大学紀要に公表した。また現代におけるブライダルツーリズムの構造を明らかにすべくアンケート調査を行っており、次年度に研究成果として報告する予定である。さらにこうした研究で得た知見をブライダル産業の専門家育成プログラムにおいて講義した。以上のように本年度はブライダルツーリズムの基礎研究、現状分析、研究成果の社会への還元を行うことができたが、予定されていた海外調査が現地との調整が整わず遂行することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究の最終年度であるためブライダルツーリズムの基礎研究をふまえたうえで、研究目的である「ブライダルツーリズムの可能性」を展開するために必要な要素について調査・分析を行う。研究成果のとりまとめの過程で必要となる補充調査として現地調査、アンケート調査を行いつつ、その研究成果を学会・学術誌等で公開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては当初の計画では海外リゾートブライダル(ウエディング)、非リゾート地におけるブライダル(ウエディング)をフィールドワーク調査し、成果については学会で報告したいと考えてた。しかし、海外調査においてインタビューおよび協力を期待していた研究者と調整が整わず海外調査の予定が遂行することができなくなった。今後の使用計画については研究分担者とも協議を重ねたうえで、平成30年度に改めて海外調査を行うことにした。
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