研究課題/領域番号 |
16K02082
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
土屋 薫 江戸川大学, 社会学部, 教授 (60227428)
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研究分担者 |
崎本 武志 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (00468951)
林 香織 江戸川大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50458676)
下嶋 聖 東京農業大学短期大学部, その他部局等, 助教 (60439883)
廣田 有里 江戸川大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60453479)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | オープンガーデン / 観光資源 / 持続可能性 / 交流人口 / 情報交換 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、調査地域(A)千葉県流山市のオープンガーデンのオーナーに対する聞き取り調査①を行った。オープンガーデン開催直後の2016年5月21日から23日にかけて、公開している31庭の中から、地区ごとに代表的な庭のオーナー8人を対象者とした。その際、自分の庭の「見どころ」の写真を撮影してもらう視覚調査を併せて行った。そして後日、自身の撮影した写真を見てもらいながら、「見どころ」の言語化を試みていただいた。 また、流山市のオープンガーデンでは導入されていない、オープンガーデンのボランティアガイドを擁する調査地域(B)北海道恵庭市において、ボランティアガイドに対する視覚・聞き取り調査②を行った。調査は2016年8月29日に実施した。調査地域(A)千葉県流山市における調査と同様、案内しているお庭の「見どころ」の写真を撮影してもらう視覚調査を併せて行った。 調査①・調査②とも、録音した聞き取り内容についてテープ起こしを行い、内容分析を行った。各庭の調査内容を同一の単語から標準化することはできなかったが、各庭において、オーナーが力を注いでいる内容について、植物の特定、思い入れ、ライフヒストリーとのつながりといった視点から整理することが可能なことがわかった。 さらに、これら調査①・調査②の結果を元にして、平成30年度の本格的な運用に備えて、平成29年度のオープンガーデン統一公開日に使用感を検査する予定のアプリケーションについて、webページの形で試作し、情報の展開構造を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査地域(A)千葉県流山市における調査①、調査地域(B)北海道恵庭市における調査②とも無事実施でき、その成果として、各庭における「見どころ」の抽出は順調に進んでいる。 ただし、オーナーと訪問者のギャップを埋めるためのツールとして、タブレットないしスマートフォンのアプリケーションを想定していたが、現在のところ、webページとしてブラウザでの運用はできているものの、個別のデバイスで稼働するアプリケーションプログラムの統合的開発までには至っていない。その点が課題として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象である8つの庭は、統一公開日には毎年1日あたり1000人規模の訪問者があるため、不測の事態も考慮に入れると、当初計画していた一般の訪問者を対象とした平成29年度予定の調査③の実施困難が予想される。 そこで、オーナーと訪問者の庭の「見どころ」の認識ギャップを明確にするという目的を果たすために、オープンガーデンを主催する側の事情を理解しつつ、訪問者としての視点を保持している調査対象者として、調査②の対象者である北海道恵庭市のボランティアガイドによる実施を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に以下の4つの理由から、次年度使用額が生じた。 1)調査①および調査②の分析に時間を取られ、その成果を受けた空間分析作業がずれ込んだため、空間分析用に特化したPCおよび動作確認用の端末・ソフトウェアの年度内購入に至らなかった。2)同じ理由から、インタープリテーション・ツール開発に向けた作業がずれ込んだため、アプリケーション開発用に特化したPCの年度内購入に至らなかった。3)またそれに関連した資料整理に伴う人件費が発生しなかった。4)調査②に関して、研究分担者の体調悪化に伴い、調査随行をキャンセルせざるを得なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
空間分析作業とアプリケーション開発作業が年度にまたがる形となり、支出手続きが遅れる結果となったが、作業自体が著しく遅れているわけではなく、全体の進行として、次年度の調査計画遂行に向けて大きな支障は無い。
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