研究課題/領域番号 |
16K02085
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
佐々木 一彰 東洋大学, 国際観光学部, 准教授 (20329915)
|
研究分担者 |
大谷 信盛 大阪商業大学, 付置研究所, 研究員 (70772664)
中條 辰哉 大阪商業大学, 付置研究所, 研究員 (90411470)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | カジノ / 統合型リゾート / ギャンブル / IR(Integrated Resort) / 東京オリンピック / ホスピタリティ / 社会的コスト / 依存症 |
研究実績の概要 |
本年度(2016年)については2016年末に国会をIR推進法(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)が通過し、カジノをリゾート全体の収益の駆動部分とする統合型リゾート(Integrated Resort)を合法化するための法律案、通称IR実施法が1年以内に制定されることが確定した。ただし、IRの持つ社会的コストの問題についてはまだ一般の人々の理解が進んでいるとは言えず、カジノを駆動部分とする統合型リゾートについての拒否反応は強い。社会的コストの問題について人々の関心が高い問題は大きく分けた場合、治安の悪化に対する懸念と依存症に関する問題をあげることが出来る。 本研究代表である佐々木は6月8日にアメリカ、ラスベガスで開催されたゲーミングの国際会議においてIRとリゾート法に基づいたリゾートの問題について報告を行った。また、アメリカの大規模工場跡地に建設されたIRを取り上げ理論的検討を加え学会誌に投稿し掲載が確定している。そして、日本、シンガポール、アメリカの研究者による社会的コストのシンポジウムを3月に開催し、それぞれの国々における理論的な検証と具体的事例の比較検討を行った。その結果、社会的コストについての理論的背景は比較的各国に似通っておりそれに沿った形で現実面が表れていることが検証された。IRの経済的効果については日本でIRが稼働した場合多くが華人経済圏より来訪することになるのでマカオ大学ゲーミング研究所に訪れその点についても検証を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本におけるカジノを駆動部分としたIR(Integrated Resort)を管理監督するための法律を1年以内に作成するという法案が2016年末に国会で可決された。代表者が行っている研究は、この法案可決後に経済的効果と社会的コストについてIR実施法を作成する際に参考になり得るものと思われる。また、社会的コストの算定については理論的検証が国際的見地より行った。これを経済的効果よりマイナスしたものが実際の経済的な効果となり得るので本研究はおおむね順調に推移していると言えよう。
|
今後の研究の推進方策 |
日本におけるIRの経済的効果および社会的効果については研究者が遂行している研究以外にも近年、多くの営利企業(特に経済的効果)および公的機関(特に社会的コスト)がデータを出しつつあるのが現状なのでそれらのデータも積極的に活用してゆきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
既存のPCのアップグレードおよびソフトのアップグレードが科研費を使用せずに可能となったこと。及び、海外出張をせずにデータが収集できたこと。
|
次年度使用額の使用計画 |
社会的コストを中心として全体的な経済的ベネフィットを算出するために海外の事例を活用するため海外研究者の知見を活用するために海外研究者の招聘及び計量経済学的検証を行う。
|