研究課題/領域番号 |
16K02090
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 久美 金城学院大学, 国際情報学部, 教授 (00645632)
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研究分担者 |
岡本 耕平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90201988)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 日本旅行 / 自然災害 / 中国 |
研究実績の概要 |
・2018年は日本国内で自然災害が頻発した。それらの災害時に訪日外国人旅行者にとってどのような情報が役だったかについて、既存の調査データなどを用いて検討した。その結果、災害発生時に外国人旅行者たちが頼った主な情報は、宿泊先の従業員、ツアーコンダクター、日本のテレビ・ラジオ、母国のWEB サイトからの情報であった。一方、行政が提供する「インフォメーションセンター」などはあまり利用されなかった。また、観光庁が2014年から提供を開始した外国人旅行者向け災害時情報提供アプリSafety tipsは、ほとんど利用されなかったようだ。 ・上記で注目すべきは、役だった情報源として「宿泊先の従業員」が上位に挙げられていることだ。災害が起こる時間帯によっては、外国人旅行者は宿泊施設以外の様々な場所に滞在している可能性があり、宿泊先の従業員やツアーコンダクターのほかに、観光施設や飲食店・土産物屋の従業員、鉄道の駅員やバスの運転手などの交通機関の従業員なども、訪日外国人旅行者にフェイス・トゥ・フェイスでの情報提供を行うことが期待される。そこで、筆者たちがかつて開発したテンプレート翻訳システムを言語を増やして改訂した。 ・中国最大手の旅行会社である中国国際旅行社総社有限公司(略称「国旅」「国旅総社」)で、聞き取り調査を行った。当社が日本への団体旅行客に配布する「旅の心得」14項目のうち一つが「自然災害自助常識(自然災害時の自助のための知識)」であり、地震、火災、豪雨災害の3つに分けて対処方法が記されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで各国で収集した日本で発生する災害に関する資料の分析に、予想以上の時間を要している。また、インターネット調査は費用が高額でやり直しがきかないため、質問項目の選定に時間をかけて慎重に行うことにした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き各国で収集した日本で発生する災害に関する資料の分析を行うとともに、インターネット調査の質問項目の選定を慎重に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
インターネット調査は費用が高額でやり直しがきかないため、質問項目の選定に時間をかけて慎重に行うことにした。このため、補助事業期間を延長し、未使用額をその経費としたい。
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