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2019 年度 実績報告書

「人間の尊厳」と「個人の尊重」―討議的実在論に基づく新たな関係構築の試み―

研究課題

研究課題/領域番号 16K02114
研究機関静岡大学

研究代表者

堂囿 俊彦  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (90396705)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード人間の尊厳 / 個人の尊重 / 討議倫理学 / メタ倫理学 / 倫理コンサルテーション
研究実績の概要

今年度は、医療・ケアの現場における「人間の尊厳」と対話との結びつきをより明確にするべく、倫理コンサルテーションにおいて「人間の尊厳」概念がどのように理解されているのかを探求した。研究成果は、「ケアの人間学」合同研究会および日本生命倫理学会において発表した。
研究期間全体の研究成果としては、大きく以下の二点が挙げられる。
(1)本研究では、「人間の尊厳」を、個性をもった人々を尊重する対話や、人間の多様な側面に関わるケアを通じて明らかになるものとして位置付けた。これにより、従来対立的に捉えられてきた「人間の尊厳」と「個性の尊重」を統一的・補完的に捉えるための枠組みを提示した。現在、医療・介護・研究に関するさまざまな法律やガイドラインにおいて「人間の尊厳」という表現が用いられているが、本研究により、これらの法律やガイドラインが憲法と密接に結びつくものであることが示された。
(2)「人間の尊厳」を捉える上で、人々による対話やケアを重視する本研究の成果は、医療・介護・研究に関するさまざまな法律やガイドラインの柱となっている「人間の尊厳」の尊重を、実践の場面に根付かせるための道筋を示すものである。本研究では、「人間の尊厳」を具体化する一つの枠組みとして倫理コンサルテーションに着目し、日独の比較研究を行った。また、この研究成果を生かしつつ、医療やケアの現場において倫理コンサルテーションに従事する方や医療と法に造詣の深い弁護士の方ともに、『倫理コンサルテーションハンドブック』を出版した。本書は日本で初めての本格的な倫理コンサルテーションの教科書である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 治験における包括同意の現状と課題2019

    • 著者名/発表者名
      堂囿 俊彦, 亀田 有希子, 渡邉 達也, 氏原 淳
    • 雑誌名

      臨床薬理

      巻: 50 (4) ページ: 177-182

    • DOI

      https://doi.org/10.3999/jscpt.50.177

    • 査読あり
  • [学会発表] 患者の尊厳に着目した倫理コンサルテーションモデルの検討2019

    • 著者名/発表者名
      堂囿俊彦
    • 学会等名
      日本生命倫理学会年次大会
  • [学会発表] 公立福生病院における透析治療の不開始・中止を考える2019

    • 著者名/発表者名
      堂囿俊彦, 神谷恵子, 竹下啓, 長尾式子, 三浦靖彦
    • 学会等名
      日本生命倫理学会年次大会
  • [図書] 薬学人のための事例で学ぶ倫理学2020

    • 著者名/発表者名
      有田悦子、足立智孝、堂囿俊彦、仙波由加里、河原直人、竹下啓、田代志門、神里彩子、一家綱邦、武藤香織、井上悠輔、氏原淳、竹平理恵子、中田亜希子、菊池真実、神谷恵子、渡邉達也、飯嶋久志
    • 総ページ数
      274
    • 出版者
      南江堂
    • ISBN
      978-4-524-40364-6
  • [図書] 薬学生・薬剤師のためのヒューマニズム 改訂版2019

    • 著者名/発表者名
      後藤惠子、有田悦子、井手口直子、高中紘一郎、富澤崇、上村直樹、鹿村恵明、福島紀子、増山ゆかり、小茂田昌代、根岸健一、神谷恵子、山崎浩司、竹下啓、塩田澄子、田村智英子、齋藤有紀子、田村豊、堂囿俊彦、氏原淳他
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      羊土社
    • ISBN
      978-4-7581-0942-0

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公開日: 2021-01-27  

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