研究課題
基盤研究(C)
「ジョイント・アテンション」という事象の分析から、「視線」の一致の問題を析出し、その問題をサルトルの他者論を援用して存在論的な角度から解決した。また、その結果をもとに、三項関係の認知構造をモデル化した。この結果から、伝統的な哲学を批判して哲学の改造に役立てた。それと同時に、三項関係に関する認知科学の研究成果をこのモデルで解釈し直した。また、他の認知現象をこのモデルで理解できる可能性を示した。
哲学
この研究は「視線(gaze)」に関する認知神経科学および発達心理学等の人間科学における実証的な研究成果を踏まえ、哲学的な視点からこれらの研究成果を検討することを目的とする。認知に関する実証的な知見を存在論的にとらえ直すことによって、実証性を備えた哲学的認識を作り出すとともに、認知的に人間を理解する際の視野を拡大することに貢献した。