前年度から引き続き、訪問看護ステーションや介護事業所などのスタッフの協力を得て、すでに科研費のために立ち上げているホームページの拡充を図ることができた。具体的には、スタッフとの勉強会やヒアリングを通して、ホームページ上の事例データベースを拡充したり、典型的な事例については、個人情報に留意しながら、「フォーラム」欄にて、研究者間で議論を交わすことができた。 おもに海外の未邦訳文献を中心に、訪問看護のモラルジレンマの事例を収集し、翻訳しながら、事例データベースを通じて紹介することができた。 上記の研究内容を、ホームページ上の「ブログ」欄を積極的に活用して、一般人(非専門家、公衆)にも発信することができた。併せて「けあNews」などで報じられているタイムリーなトピックを取り上げ、「ブログ」上で分かりやすく解説することができた。 単著『看護のための生命倫理』<改訂三版>や、看護学生対象の雑誌への連載を通じて、訪問看護倫理のモラル・ジレンマを「自律尊重」や「善行」「無危害」などの倫理原則によるアプローチから捉え直し、「訪問看護の倫理とは何か」について、その倫理的課題の特徴に注目しながら論じることができた。
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