研究課題/領域番号 |
16K02149
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
米虫 正巳 関西学院大学, 文学部, 教授 (10283706)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フランス現象学 / 出来事 / 真理 / 世界 / 限界 / 起源 / 主体 |
研究実績の概要 |
2016年度は3年間の研究計画の初年度として、本研究全体の基盤形成に務めると共に、今後の研究の方向性を定めるための作業を行なった。 「現代フランス現象学に関する日仏共同研究の試み」という本研究課題は、フランスの現象学研究者たちとの共同作業のもとに、現代フランスにおいて多様な仕方で展開しつつある現象学研究の可能性を統一的に捉えることのできる視座を獲得すること、現代フランス現象学が前提としている哲学史の伝統を再考することで、哲学史的遺産に潜む豊かな可能性を掘り起こすこと、そして上記の二つのことを通じて、出来事、真理、世界、限界、起源、主体といった哲学の基本概念を再考することを目的としている。こうした研究目標を達成するためには、フランス人研究者との恒常的な協力関係や連繋は欠かすことのできないものである。 そこで本研究の基盤形成のために、従来から協力関係にある複数のフランス人研究者との連繋をより密接なものとすべく、パリにて会合を重ね、各自の研究の進展状況の確認や、今後の研究の進め方についての相談等、必要な研究打ち合わせを行なった。また日頃からもメール等で研究打ち合わせを随時行ない、互いの研究成果の送付、意見の交換等を繰り返すことで研究の進展を図った。 さらに今後の研究の方向性を定めるための出発点として、フランス人研究者及び日本の研究者たちとの共同論集を刊行した。またフランス人研究者を迎えてのシンポジウムにてフランス語での発表を行なうと共に、活発な意見交換を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の研究計画の初年度となる2016年度は、本研究全体の基盤形成と今後の研究の方向性を定めることに務めたが、研究はおおむね順調に進展している。従来より協力関係にあるフランス人研究者たちとは、直接に、あるいはメール等で間接的に、定期的な研究打ち合わせを重ねることができた。各自が行なっている研究の成果を互いに送付して意見交換を行なうなど、進捗状況は良好である。その全員を日本へ招聘することは諸般の事情により見送らざるを得なかったものの、その分を次年度以降に振り替えることによって全体として補うことは十分に可能である。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度以降も2016年度と同じく、フランス人研究者たちとの密接で恒常的な協力関係や連繋に基づいて研究を進めることになる。特にフランス人を招聘しての企画を今年度は積極的に行なう予定であり、公開のシンポジウム、講演会、セミナーという形で、日本の研究者も交えた幅広い共同研究の場を組織することを通じて、本研究を推進するつもりである。フランス人を招聘しての講演会を2017年4月に、同様にシンポジウムを2017年10月に、それぞれ開催することが既に決定しており、可能であればさらに複数の企画を立てることによって、よりいっそうの研究の伸展を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
シンポジウム、講演会、セミナー等の企画のために、従来より協力関係にあるフランス人研究者たちを日本に招聘する予定であったが、先方の大学での業務等の事情により、初年度に全員を日本へ招聘することは見送らざるを得なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度に招聘ができなかった者については、その分を次年度以降に振り替えることにした。それにより研究の推進全体に対する変更は生じない。
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