研究課題/領域番号 |
16K02156
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇佐美 文理 京都大学, 文学研究科, 教授 (70232808)
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研究分担者 |
竹浪 遠 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 講師 (70463445)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 内藤湖南 / 中国絵画 |
研究実績の概要 |
今年度は、内藤湖南の題跋の解釈を進めるとともに、『内藤湖南全集』所載の内藤湖南跋を一覧化し、『唐宋元明名畫大観』『宋元明清名畫大観』『支那名畫宝鑑』所載のものをはじめとして、それぞれの跋の現蔵状況、また既に行方が分からなくなっているものについては各種図録に記録のあるものをデータ化する作業を進めた。 また、分担者竹浪氏ならびに関西中国書画コレクション研究会の諸氏の協力の下、大阪市立美術館(6月23日、内藤湖南跋、箱書きの撮影)、東京大学東洋文化研究所(9月5~6日、アメリカ所蔵中国絵画における湖南関連作品の資料閲覧)岡山県立美術館(12月3日)等において、内藤湖南関連の書画の調査を行った。とりわけ岡山県立美術館では、内藤湖南跋を持つ当館所蔵の夏圭『山水図』を調査を行い、附属資料として存在した旧蔵者の守屋氏の書簡などの調査もなされ、これは内藤湖南の跋が書かれた経緯などを知るための資料であり、作品が実見できたことはもとより、有意義な調査となった。また、3月15日には、岡山大学におけるシンポジウム「瀬戸内の塩が育んだ近代東アジアネットワーク―児島、野﨑家に集った「人」と「書画」―」に参加し、内藤湖南のコレクションと関係が深い羅振玉旧蔵書画についての発表を聴講した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度に期せられた、内藤湖南跋作品の一覧表の作成と、国内における内藤湖南跋を持つ作品の調査について、ともに順調に行うことができているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、内藤湖南跋を持つ作品の調査を、国内において継続して行うとともに、さらに調査の範囲をアメリカ合衆国に広げて行う予定である。また、東京国立博物館の植松瑞希氏の協力を得て、東京国立博物館所蔵の絵画作品の跋を対象とする研究会に加えていただき、おおよそ一月に一度のペースで参加する予定である。さらに、『内藤湖南全集』所収の題跋本文を電子化し、合わせて訳注をできれば今年度中に作成し終わり、研究論文の作成に進む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に新しく研究会を始めることになり、その旅費を確保するため。
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次年度使用額の使用計画 |
毎月30000円~45000程度を支出予定(東京日帰り、あるいは資料調査を含めて一泊二日)
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