研究課題/領域番号 |
16K02156
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇佐美 文理 京都大学, 文学研究科, 教授 (70232808)
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研究分担者 |
竹浪 遠 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 講師 (70463445)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 内藤湖南 / 中国絵画 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、内藤湖南跋の読解と分析を行い、その中間報告として、本年11月3日~4日に大阪市立美術館で行われる「「阿部房次郎と中国書画」展 開催記念国際シンポジウム「阿部コレクションの諸相―文化的意義とその未来」(仮称)において研究発表を予定している。なお、年度内の調査としては、彼の絵画論に密接に関わる下記の作品について調査を行った。海外ではボストン美術館(9月21日)唐・閻立本「歴代帝王図巻」、クリーヴランド美術館(9月25日)南宋・米友仁「雲山図巻」、メトロポリタン美術館(9月28日)元・呉伯理「流水松風図」。また国内では、京都国立博物館(5月10日)仇英「聴琴図」、大原美術館(12月12日)岡山県倉敷市)(以上二件は関西中国書画コレクション研究会と共同調査)内藤湖南「伝董源群峯霽雪図巻跋」、神戸市立博物館(2018年1月20日)北宋・徽宗「五色鸚鵡図巻」、南宋・陳容「九龍図巻」(「ボストン美術館の至宝展 東西の名品、珠玉のコレクション」展示)、田辺市立美術館(和歌山県田辺市)(2018年1月27日)内藤湖南「尚書正義跋」(1929年)の予備調査(所蔵把握)、ふくやま書道美術館(広島県福山市)2018年3月30日内藤湖南「王キ、 山水図幅跋」調査(冬の所蔵品展Ⅱ「山水画を楽しむ」展示)などを調査した。さらに、図版調査として、Christie’s Hong Kong: The Fushoutang Collection Important Classical Chinese Paintings From Japan, Hong Kong, 2000.、副寿堂コレクション(斎藤董アン旧蔵品等)の売り立てカタログから、内藤湖南跋の検出を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、湖南跋の読解と、調査の二本立てで進めているが、前者に関しては、研究発表を行う予定になっており、調査に関しても上記の如く、国内外で多くの収穫を得ているので、概ね順調に研究は進んでいるものと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である本年度は、まず第一に、湖南跋の読解によって新たに見いだされた内藤湖南の絵画理論に関する見解をまとめることを研究の主眼に置く。これは上記のように、11月の大阪市立美術館でのシンポジウムでその中間報告にあたる内容の発表をする予定である。調査に関しては、国内調査は引き続き行っていくが、同時に、これまでに得られた資料をまとめて、あくまでも現時点でのものという限定はつくものの、内藤湖南に関わる中国絵画についての新しいリストが作成できる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国外調査に二名を予定していたが、諸般の事情により、調査に行けたのが一名のみであったため、その差額が生じた。
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