本年度は、内藤湖南の絵画論研究をまとめて論文にする作業と、内藤湖南の題跋作品および、彼の絵画観に影響を与えたと考えられる作品について調査を行った。調査は、2018年7月27日(金)~28(土)長野県富士見町にて、湖南ゆかりの原田博文堂関連の調査矢澤コレクション(原田家ゆかりの書画)調査、原田家別荘(三岳荘)跡、旧犬養木堂別荘(白林荘)、旧阿部房次郎別荘の見学、2018年9月21日(金)故宮博物院南院(嘉義)にて「品牌故事 乾隆皇帝的文物収蔵与包装芸術」展を見学、2018年10月8日(日)大阪市立美術館にて(伝)李成・王暁「読碑□(穴+果)石図」の特別観覧調査、2019年1月22日(火)東京国立博物館にて館蔵品および橋本コレクション作品調査、「特別展 顔真卿」展を見学、2019年2月19日(火)泉屋博古館にて住友家旧蔵の中国絵画表装調査、などを行った。なお、2018年4月29日、5月27日、6月17日、7月22日、10月8日、11月23日、12月16日、2019年1月14日、2月23日、3月30日に、東京国立博物館にて、東京国立博物館所蔵中国絵画の題跋読書会、2018年4月7日、5月6日、6月30日、8月19日、10月14日、11月25日、2019年1月12日、3月21日に、京都大学において、泉屋博古館所蔵中国絵画の題跋読書会を行い、それぞれ参加者(担当者)による訳注を作成した。 そして、研究年度全体を総括する研究論文「内藤湖南の絵画論と阿部コレクション」を、『平成30年度特集展示「生誕150周年記念阿部房次郎と中国書画」開催記念国際シンポジウム報告書 阿部コレクションの諸相―文化的意義とその未来』に発表した。
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