研究課題/領域番号 |
16K02157
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
名和 敏光 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (30291868)
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研究分担者 |
末永 高康 広島大学, 文学研究科, 准教授 (30305106)
宮本 徹 放送大学, 教養学部, 准教授 (30345243)
武田 時昌 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50179644)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 陰陽五行 / 中国 / 術数学 / 占 / 国際研究者交流 |
研究実績の概要 |
1、2016年度は、研究打ち合わせ会を兼ねた「日書研究読書会」を京都大学人文科学研究所等において全8回開催・参加した。また、上海博楚簡研究会と連携し、「出土資料と漢字文化研究会」を全5回開催・参加した。また、天地瑞祥志研究会と連携し、研究討論会を全7回開催・参加した。 2、2016年度、本務校の公立大学法人山梨県立大学教員特別研修派遣制度を利用し、京都大学大学院文学研究科において公立大学研修員として研修を行った。その間、北京大学歴史学系(5月)・復旦大学出土文献与古文字研究センター(9~10月)に訪問学者として滞在・研究・学術交流を行った。また、北京大学歴史学系(大学院)、清華大学歴史学系(大学院)、山東大学儒学高等学院(大学院)等において特別講義を依頼され行った。 3、中国古代占術を研究するために、関連文献の電子テキスト化を行った。対象として取り上げたのは、北京大学蔵西漢竹書、清華大学所蔵戦国竹簡等である。 4、中国古代占術の中で漢初の占術理論を記述した馬王堆帛書の中から、『陰陽五行甲篇』の全体像の復原を行い、「馬王堆漢墓帛書《陰陽五行》甲篇整體結構的復原」「馬王堆漢墓帛書《陰陽五行》甲篇《諸神吉凶》綴合校釋」「馬王堆漢墓帛書《陰陽五行》甲篇《諸神吉凶》前半章綴合校釋」「馬王堆漢墓帛書《陰陽五行》甲篇《道》《雜占之四》綴合校釋」等の5編の論文を中国語で執筆し、関連する論文「關於《陰陽五行甲篇》所見的“病”」「《抱朴子》詞彙試釋一則」「“諾皋”考」等の3編の論文を中国語で執筆した。また、第四届世界漢字学会、出土文献与諸子学学術研討会等の国際学会において4回の報告を中国語で行った。 5、東京大学で行われた中国出土資料学会に鄧佩玲助理教授(香港大学中文学院)を招聘し、学術報告を行ってもらい、学術交流を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要の通り、計画以上に進んでいる。 業績としては、馬王堆漢墓帛書「陰陽五行甲篇」・「陰陽五行乙篇」の訳注作業を行ったが、『陰陽五行甲篇』の全体像の復原を行い5編の論文を執筆し、関連する論文を3編執筆することができた。また、海外で開催された国際学会において4回の学術報告を中国語で行うことができた。 海外からは鄧佩玲助理教授(香港大学中文学院)を招聘し、学術報告を行ってもらい、国際学術交流を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
1、研究課題検討会の開催を行う。 2、国内・海外の資料調査を行う。国内では特に貴重な「陰陽五行」文献・術数書・占書類の調査を中心に行い各自のテーマの深化を図るとともに、検討会で紹介し、メンバー全員の共通認識を作り上げていく。海外では清華大学蔵戦国竹簡に「陰陽五行」に関する一次資料が含まれているので、その整理状況と内容に関してレクチャーを受け情報交換を行い、更に議論を行う。 3、訳注・翻訳作業を行う。本年度は、北京大学簡「勘輿」の出版を受け、整理・綴合を行った「勘輿」等の部分を中心対象とする。なお、作業に関しては、武田が代表を務める京都大学人文科学研究所の研究会の場を活用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年2月に中華人民共和国・北京における資料調査を予定していたが、先方の都合により取りやめざるを得なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年8月に中華人民共和国・北京における資料調査を予定している。
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