研究課題/領域番号 |
16K02158
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
大形 徹 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (60152063)
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研究分担者 |
大野 朋子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10420746)
山里 純一 琉球大学, 国際地域創造学部, 名誉教授 (50166659)
佐々木 聡 金沢学院大学, 文学部, 講師 (60704963)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 辟邪 / ヒモ / 魔除け / 白沢 / 石敢当 / 魂 / 鬼の目 / 悪鬼 |
研究実績の概要 |
2016年度は8~9月に石垣島・沖縄の苧麻等、12月にタイの少数民族の手首にまくヒモ等の調査をした。2017年度は7月にネパールの紐祭りの調査をした。苧麻はヒモの材料。ヒモを巻き魂を繋ぎとめる。18年度は大形徹・山里純一・佐々木聡・大野朋子、「石垣島・タイ北部・ネパール・中国等の人々の手首にヒモを巻くことについての考察」が刊行された。昨年の刊行予定が2018年9月となった。第13回市民フォーラム(大阪府立大学・ i-siteなんば)のテーマを「辟邪(まよけ)」に設定し、メンバー以外も加えて研究成果として公表した。第一回(2019.2.1)は大形・池内早紀子が辟邪絵。第二回(2.8)は大野がタケを使った魔除け「鬼の目」について述べた。タケを編んで六芒星の形にすることで魔除けになる。第三回(2.15)は佐々木が中国の神獣、白沢について述べた。万の鬼神に通暁し、その姿は不祥・不吉を退ける力を持つ。第四回(2.22)は山里が石敢當について述べた。道路の突き当たりに設置される魔除けで、石が邪気や悪鬼を圧伏し災厄を防ぐ。第五回(3.8)は水野杏紀が風水について述べた。東北鬼門封じなど、宅地の環境、居宅の構造など、風水には多くの凶を避け福を得る発想がある。第六回(3.15)は大形が「ヒモを巻く辟邪」について述べた。手首にヒモを巻き、腕輪をする習俗は宗教を超えている。そこから魂が抜けることを防ごうとするようだ。 中国文献をベースにして、タイ・ネパール・石垣島などに範囲を広げた現地調査を行ったが、ヒモを手首に巻くことに代表される辟邪の観念は、おそらく宗教ができあがる以前から存在しており、地域・宗教を超えた共通性を見出しうることを確認できた。社会貢献として、NHK、ネ―ミングバラエティ― 日本人のおなまえっ!【船の○○丸の謎】(2018.9.12)に出演。科研の「辟邪」から検索したとのこと。
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