研究課題/領域番号 |
16K02176
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江川 純一 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (40636693)
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研究分担者 |
山崎 亮 島根大学, 学術研究院人間科学系, 教授 (40191275)
久保田 浩 明治学院大学, 国際学部, 教授 (60434205)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 宗教学学問史 / イタリア宗教史学 / ヴィーコ / フランス社会学年報学派 / ドイツ宗教学 / ペッタッツォーニ / 聖概念 |
研究実績の概要 |
最終年度である2018年度は、まず5月27日に、公開研究会「宗教学黎明期の再検討」を北海道大学にて開催した。発表内容は、小柳敦史「世紀転換期の「学問の無前提性」論争における神学と宗教学」、久保田浩「「神学からの宗教学の独立」という神話──『宣教学・宗教学誌』(1886-1939)に見る宗教学黎明期の状況」、江川純一「宗教史学の創始者ヴィーコ──ペッタッツォーニ宗教史学の言説空間」である。当研究会によって、「神学」と「宗教学」とのあいだの線引きは時代・地域により差異がみられ、カトリック文化圏のほうが明確であること、また、「神学」と「宗教学」をめぐる言説は、「規範的宗教学」/「記述的宗教学」の線引き(または重なり)の問題と直結することを再認識することができた。 また、2018年12月1日には、本研究課題の締めくくりとして、公開研究会「宗教学生成期における哲学の位置」を東京大学にて開催した。発表内容は、久保田浩「O・プフライデラーにおける「宗教史学」と「宗教哲学」との関係を巡って」、堀雅彦「W.ジェイムズにおける「未分類の残余」への視点と「宗教」概念の再構成」、山崎亮「社会学年報学派における認識論の構図」、江川純一「ヴィーコとペッタッツォーニ──歴史・宗教・哲学」、下田和宣「コメント」である。各発表によって、プライデラー、ジェイムズ、デュルケーム、ペッタッツォーニは、哲学から大きな影響を受けつつも、哲学との差異化を目指したことが明らかになった。 研究費に基づき、研究代表者は、『ニュクス』第5号第一特集「聖なるもの」(堀之内出版)の共同主幹を担当し、論文「ペッタッツォーニの「サクロロジア」」、『ニュクス』第5号、同じく論文「イタリアの新たな「世俗性」」、池澤優編、『政治化する宗教・宗教化する政治 いま宗教に向き合う・4』(岩波書店)を発表した。
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