研究課題/領域番号 |
16K02200
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
権 純哲 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (80253178)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 朝鮮思想史 / 高橋亨 / 京城帝国大学 |
研究実績の概要 |
高橋亨京城帝国大学「朝鮮思想」関係講義ノート全66冊の翻刻を終えた。そして、翻刻原稿と原文との照合点検作業を行っているとともに、補注作業を行っている。これら翻刻照合と補注作業は、来年度前半までに終える予定である。 今年度の主な業績は、以下のとおりである。 韓国出張によって、延世大学校国学研究院第461回国学研究発表会にて「高橋亨の遺産発掘:京城帝国大学講義研究序説」を発表(6月2日)し、現代哲学思想研究会の例会にて同題の発表(6月3日)を行い、今までの研究成果の一部を紹介し、とくに本研究の持つ意義について説明し、有意義な意見交換を行うことができた。 点検を終えたもののうち、補注を加え、昭和五年五月三日付け「朝鮮思想史概説」第一冊より第六冊まで全六冊を翻刻し、「朝鮮思想史概説(上)」(埼玉大学紀要(教養学部)第53巻第1号)「朝鮮思想史概説(下)」(埼玉大学紀要(教養学部)第53巻第2号)として公開発表した。 植民地朝鮮で刊行された雑誌『朝鮮公論』復刻版を購入し、備品設置した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高橋亨京城帝国大学「朝鮮思想」関係講義ノートの翻刻作業を優先して行い、全66冊の翻刻を終えることができた。引き続き、翻刻内容を再度点検しながら補注付け作業が終わった部分を一つ一つ公開発表している。 国内出張は、公務のため予定を組めず、来年度に順延することとなった。ちなみに、これによる研究に支障はない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、翻刻内容の再点検を行いながら、補注作業を完了する。高橋亨の活動について、新聞・雑誌の調査を継続し、その内容を整理し、最終研究報告書の作成に入る。 当初計画していた講義ノートのカラー写真版製作は、研究推進の効率化と費用の節約をはかるため、カラーコピーによるPDF製作に改めることを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内出張の実施ができなかったことによる、旅費と謝金が残ることになったが、その分を合わせて、高額図書『朝鮮公論』復刻版を購入することにしたので、結果的に以上のような差額が発生した。順延された国内出張を実施し、高橋亨の天理大学時代の教え子である平木實元天理大学教授との面談を行う予定である。
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