研究課題/領域番号 |
16K02201
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
小林 春夫 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70242229)
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研究分担者 |
高橋 英海 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20349228)
山本 芳久 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50375599)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | イブン・スィーナー / 治癒の書 / 比較思想 / イスラーム哲学 / バルヘブラエウス / トマス・アクィナス |
研究実績の概要 |
本年度は、7回の定例研究会を開催したほか、イランにおいて調査研究を行い、また研究分担者がそれぞれの専門分野において研究を進めた。その内容は以下の通りである。 定例研究会について:第73回(2017年4月29日、東京大学駒場キャンパス)、第74回(2017年6月17日、早稲田大学戸山キャンパス)、第75回(2017年7月22日、早稲田大学戸山キャンパス)、第76回(2017年9月23日、早稲田大学戸山キャンパス)、第77回(2017年11月11日、早稲田大学戸山キャンパス)、第78回(2017年12月16日、早稲田大学戸山キャンパス)、第79回(2018年1月27日、早稲田大学戸山キャンパス)の研究会を開催した。各回とも、アラビア語刊本を底本にして、数種類の古写本、中世ラテン語訳、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語ならびにペルシア語、トルコ語などの現代語訳、複数の註釈を参照しつつ『治癒の書』形而上学部分の読解を進め、内容について比較思想の視点から詳細な議論を行った。 2018年3月4日~12日の間、イラン・イスラーム共和国において、研究代表者の小林春夫と研究分担者の高橋英海は、若手研究者数名とともに次のような調査研究を行った。テヘランにおいて、イラン哲学協会を訪問、国会図書館やテヘラン大学図書館において写本調査、専門書店にて関連図書資料を収集した。イスラーム思想史において重要な拠点であったライイの史跡を調査した。宗教都市コムでは、古代宗教研究センターを訪問したほか、書誌学者のビーダールファル氏のもとでイスラーム思想に関連する書誌情報を収集した。 研究分担者による個別研究の成果については、後の業績一覧を参照されたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の中心である定例研究会が順調に進捗している。また本年度は、研究代表者の小林と研究分担者の高橋が中心となって海外調査を実施し、現地調査ならびにイラン人研究者との情報交換を行うとともに、同行した若手日本人研究者の育成という側面においても大きな成果があった。さらに研究分担者の高橋と山本は、それぞれの専門領域において本研究課題と関連する多数の論文や著書を公刊し、講演等を行った。
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今後の研究の推進方策 |
・定例研究会と個別研究を基本として、従来の研究を継続する。 ・今年度は『治癒の書』の既読部分の訳注を学術雑誌に公刊する予定である。 ・「イスラーム哲学史」に関する日本語文献の出版に向けた準備を行なう。 ・研究会のホームページを更新し、充実をはかる。 ・定例研究会への学生・院生の参加を促し、若手研究者の育成に努める。
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備考 |
本研究課題の成果の一部である「治癒の書研究会」の活動内容と研究に関する情報を掲載
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