研究課題/領域番号 |
16K02201
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
小林 春夫 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70242229)
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研究分担者 |
高橋 英海 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20349228)
山本 芳久 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50375599)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | イスラーム哲学 / イブン・スィーナー / 治癒の書 / バル・ヘブラエウス |
研究実績の概要 |
本年度の主要な業績は以下の通りである。 (1)本課題研究の主要テーマである、イブン・スィーナー『治癒の書』形而上学に関する比較研究に関しては、当該年度中に、多分野の研究者の参加をえて、合計9回の研究会を開催することができた。毎回活発な討議が行われたが、その成果は同書第2巻の訳注に反映されている。 (2)また、課題研究のテーマに関連して、イスラーム思想に関する定評のある概説書『ケンブリッジコンパニオン・アラビア哲学』(The Cambridge Companion to Arabic Philosophy, eds. P. Adamson and R. Taylor, Cambridge University Press 2005)を若手研究者と分担して翻訳し、内容の検討をおこなった。わが国にはイスラーム思想に関する最新の概説書が存在しないことから、同書の邦訳を出版に向けて準備中である。 (3)以上の活動に加えて、高橋英海(研究分担者)による国際学会での口頭発表、図書の分担執筆がある。イスラーム哲学とシリア語世界との関わりについて明らかにした。また山本芳久(研究分担者)も、西洋中世思想におけるイスラーム哲学の重要性について研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画のうち、イブン・スィーナー『治癒の書』形而上学の訳注作業については、『ケンブリッジコンパニオン・アラビア哲学』の訳読を優先したため量的には捗っていないが、9回の研究会開催を通じて同書に関連する比較研究を進めた。発表した業績は多くはないが、来年度に向けた準備作業を進めたと言える。学生や若手研究者を巻き込んだ、共同研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度が本課題研究の最終年度であるので、イブン・スィーナー『治癒の書』形而上学の訳注作業を取りまとめる。上述の『ケンブリッジコンパニオン・アラビア哲学』の邦訳出版をに向けて準備を行なう。従来通り、学生や若手研究者とともに研究会を数回開催する。また研究分担者による個別研究の成果を発表する。
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