研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、デモクラシーの進展する時代における市民的資質との関連で、教養の意義を政治思想的文脈から考察することである。特に、デモクラシーが進展する中で「政治教育」をめぐる具体的な議論が登場した19世紀イギリスを中心に、デモクラシーにとっての市民的資質としての教養、そのための政治体制、学校教育、大学教育、政治的中立性などについて検討した。
政治思想
今日、主に投票権年齢の低下に伴い、主権者教育や高校新設科目「公共」などへの関心が高まる中、政治リテラシーへの関心も高まっている。しかし、それらの議論は狭義の政治リテラシーへの関心が多く、古代ギリシア以来の政治思想にみられる広義の教養や政治的教養への視座がしばしば欠けている。本研究では、デモクラシーの前提となる市民的資質としての政治的教養に関する議論について、検討することで、現代の課題に対する一つの応答を試みたい。