• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

ポスト冷戦期における国際秩序観とロシアのユーラシア・アイデンティティ

研究課題

研究課題/領域番号 16K02216
研究機関津田塾大学

研究代表者

浜 由樹子  津田塾大学, 付置研究所, 研究員 (10398729)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードユーラシア主義 / ロシア現代思想 / ロシア外交 / アイデンティティ
研究実績の概要

初年度前半はまず、当該テーマの中核となるアレクサンドル・パナーリンの思想に関する二次資料の収集、彼の元同僚であり研究上の指導を受けた研究者のインタビュー調査を行った。これらの資料の読み込み、問題点の整理は現在に至るまで続行中である。
上記過程で得られた知見をもとに、調査対象となるグループを3つに分け、分析を進める方針を策定した。「現代のユーラシア主義」と呼ばれる思想、イデオロギーの担い手には、【1】政界とのパイプを持つ「極右」思想家のグループ、【2】【1】のグループと類似した思想を紡ぎ出しつつも、政治からは距離を保ち、学界からも一定の敬意を受けている思想家・哲学者のグループ、【3】外交理念構築や政策立案に携わることもある実務家、専門家のグループ、という3つのグループがあると考えらえる。従来の研究は【1】に集中しており、思想的影響力、学界でのリスペクトという点からすれば、本格的な分析対象となってしかるべき【2】のグループへの着目が弱いといえる。また、思想・哲学界の動向がロシア政治・外交に反映されているという指摘はかねてから一部の研究者の間にあったが、この仮説を検証するべく、思想界と外交政策立案の接点となる実務家グループに関する調査も必要だという結論に達した。
当初の研究計画の中心は【2】であったが、同時に【3】に関する調査も開始した。この調査、分析の現段階での成果をまとめたものを現在学会誌に投稿中である。
また、この調査過程で、関連したテーマで研究に取り組む研究者との共同研究についての計画が立ち上がった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

資料調査を目的とした出張については、滞在費を節約するために現地アシスタントとしてロシア人学生の協力を得た。今回は優れたアシスタントのおかげで想定以上の効率化が可能となり、資料収集やインタビューも順調に進んだ。謝金支出の有効性も証明されたといえる。
ただ、分析対象を3つに分ける(増やす)という研究計画変更が生じたため、分析と成果発表には当初の予想以上の時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

2年目には、初年度にインタビュー調査等を通じて知り合ったロシアの研究者とのネットワーク構築・強化のために、ロシア語での論文執筆と発表を行う。同時に、調査の過程で立案に至った国際共同研究のための準備を進める。
資料収集が順調に進んだため、当初計画していた補完的な調査出張は行わず、初年度に収集することのできた資料の読み込みに時間を費やす予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] 国立ロシア高等経済大学(ロシア連邦)

    • 国名
      ロシア連邦
    • 外国機関名
      国立ロシア高等経済大学
  • [図書] ロシア革命とソ連の世紀 第1巻2017

    • 著者名/発表者名
      池田嘉郎他編著
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      岩波書店

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi