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2017 年度 実施状況報告書

前近代日本における病気治療と呪術の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02217
研究機関二松學舍大學

研究代表者

小山 聡子  二松學舍大學, 文学部, 教授 (80377738)

研究分担者 大江 篤  園田学園女子大学, 人間教育学部, 教授 (10289051)
近藤 瑞木  首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (20305402)
斎藤 英喜  佛教大学, 歴史学部, 教授 (40269692)
水口 幹記  藤女子大学, 文学部, 准教授 (40339643)
竹下 悦子 (牧角悦子)  二松學舍大學, 文学部, 教授 (40181614)
山田 雄司  三重大学, 人文学部, 教授 (90314103)
北條 勝貴  上智大学, 文学部, 准教授 (90439331)
赤澤 春彦  摂南大学, 外国語学部, 准教授 (90710559)
研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2019-03-31
キーワード呪術 / 病気治療 / 邪気 / 物記 / 陰陽道 / 神祇
研究実績の概要

今年度は、研究会を2017年11月と2018年3月に2回開催した。11月の研究会では、小山聡子「鎌倉時代の霊魂観とモノノケ調伏」、佐々木聡「発病書・祟書・占病文献に見える病因観と辟邪文化」の2本の発表があり、3月の研究会では前近代の病気治療と呪術について、赤澤春彦「日本中世における病・治療と陰陽道」、北條勝貴「〈水辺の憂女〉の古層と構築―血盆・血湖の前提的状況をみる」の2本の発表に加え、科研メンバー以外による「馬琴の医療記事にみる医学と方術」についての発表があった。近世の病気治療と呪術について、研究の推進のために発表していただいた。研究発表では、非常に活発な議論や有益な情報交換が行なわれた。
今年度も、メンバーがそれぞれの専門領域から、精力的に研究を進めることができた。本研究には、日本の歴史学、文学、民俗学の研究者だけではなく、中国研究の研究者もメンバーに入っている。本研究は、前近代日本の病気治療と呪術のあり様を明らかにすることを目的とはしているが、それを明らかにするためには、日本だけを視野に入れていては不十分である。本研究では、研究会を通じて、前近代日本の病気治療における中国の病気治療が具体的にどのような影響を及ぼしているのか、その一端を明らかにすることができている。また、新出史料も交えて論じるべく、史料調査をした上で、史料の分析もすすめているところである。
本研究は、前近代日本の呪術による病気治療の変遷について明らかにすることを目的とするものである。前近代の人々の精神世界を明らかにする上で、病気治療と呪術の研究は不可欠である。今年度も、病気治療の変遷について、それぞれの専門領域から、研究発表や論文というかたちで、研究成果を出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、おおむね定期的に研究会を行い、史料調査、研究発表、論文発表を行うことができている。
また、平成30年度(8月末)には、中国の杭州の浙江工商大学で、シンポジウムを行う予定となっており、その準備も予定通りに進めることができている。

今後の研究の推進方策

今後も、これまでと同様に、定期的に研究会を開く予定である。今年度は7月と3月に研究会を開催する。さらに、それに加えて、中国の浙江工商大学で、8月末に、本科研と浙江工商大学東方言語文化学院、二松學舍大学SRFによる共催で「東アジアの歴史における病気治療と呪術」という国際シンポジウムを開く予定となっている。そこでは、科研のメンバーによる発表と中国で日本研究を行なっている研究者による発表が行なわれ、討議がなされる予定となっている。充実したシンポジウムとするべく、現在計画を練っているところである。
また、平成30年度で研究期間は終了となる。そこで、平成30年度末までに、研究成果についての論文をメンバーがそれぞれまとめ、平成31年度には研究報告書として論文集を出す予定である。すでに出版社も決定しており、今後論文集の内容についてさらに議論していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

本科研は、平成28年度の10月に追加採択されたことから、科研に応募した時点では平成29年度に行なう予定だった浙江工商大学での国際シンポジウムを、平成30年度に行なうことにした。
それゆえ、平成30年度には、シンポジウムに出席するための費用がかさむ予定となったため、調査を減らすなどして、平成29年度の支出は抑え気味にせざるを得なかった。繰り越した分は、主に浙江工商大学でのシンポジウム出席のために使用する予定である。

  • 研究成果

    (29件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 5件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 中世前期の病気治療における神とモノノケ2018

    • 著者名/発表者名
      小山聡子
    • 雑誌名

      歴史評論

      巻: 816 ページ: 19-30

  • [雑誌論文] 宇宙を渡る作法ーパースペクティヴィズム・真偽判断・歴史実践2018

    • 著者名/発表者名
      北條勝貴
    • 雑誌名

      古代文学

      巻: 57 ページ: 2-18

  • [雑誌論文] 怪を語れば`ふるさと`に至るー怪異学と地域創生2017

    • 著者名/発表者名
      大江篤
    • 雑誌名

      尼崎市立地域研究史料館紀要

      巻: 117 ページ: 50-55

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本古代の「神」認識と卜占2017

    • 著者名/発表者名
      大江篤
    • 雑誌名

      西洋古代史研究

      巻: 17 ページ: 17-23

  • [雑誌論文] 日本最早類書《秘府略》的編纂及其背景――通過對文人滋野貞主的考察2017

    • 著者名/発表者名
      水口幹記
    • 雑誌名

      中正漢学研究

      巻: 2017年第2期 ページ: 103-124

  • [雑誌論文] 『法苑珠林』感応縁注釈稿(三)2017

    • 著者名/発表者名
      北条勝貴
    • 雑誌名

      上智史学

      巻: 62 ページ: 87-118

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 独歩考ーいま、相馬小高を歩いて考える2017

    • 著者名/発表者名
      北條勝貴
    • 雑誌名

      歴史評論

      巻: 812 ページ: 91-101

  • [雑誌論文] 越南本『天元玉暦祥異賦』について2017

    • 著者名/発表者名
      佐々木聡
    • 雑誌名

      汲古

      巻: 72 ページ: 46-52

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 清末刊『張天師法病書』と近世における三十日病占の展開2017

    • 著者名/発表者名
      佐々木聡
    • 雑誌名

      人文学論集

      巻: 36 ページ: 1-22

    • 査読あり
  • [学会発表] 幽霊ではなかった幽霊ー古代・中世の実像2018

    • 著者名/発表者名
      小山聡子
    • 学会等名
      二松學舍大学東アジア学術総合研究所共同研究ワークショップ「幽霊の歴史文化学」
  • [学会発表] 生と死の間ー霊魂の観点から2018

    • 著者名/発表者名
      山田雄司
    • 学会等名
      二松學舍大学東アジア学術総合研究所共同研究ワークショップ「幽霊の歴史文化学」
    • 招待講演
  • [学会発表] 明清時代の占病文献とその流布状況―占夢書・通書・日用類書・通俗道教との関わりから2018

    • 著者名/発表者名
      佐々木聡
    • 学会等名
      汎アジア科学文化論班研究会
  • [学会発表] 理想化された親鸞像を問う2017

    • 著者名/発表者名
      小山聡子
    • 学会等名
      親鸞聖人行実研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 平安貴族の病気治療―モノノケへの対処をめぐって2017

    • 著者名/発表者名
      小山聡子
    • 学会等名
      大正大学仏教綜合研究所公開講座
    • 招待講演
  • [学会発表] 悩める親鸞ーまじないの時代のなかで2017

    • 著者名/発表者名
      小山聡子
    • 学会等名
      真宗高田派総本山専修寺 第91回仏教文化講座
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本中世における改元と陰陽家2017

    • 著者名/発表者名
      赤澤春彦
    • 学会等名
      歴博国際シンポジウム「年号と東アジアの思想と文化」
    • 招待講演
  • [学会発表] 怪・異・妖-日本古代の怪異認識2017

    • 著者名/発表者名
      大江篤
    • 学会等名
      東アジア恠異学会
  • [学会発表] 日本最早類書《秘府略》的編纂及其背景2017

    • 著者名/発表者名
      水口幹記
    • 学会等名
      第二届南京大学域外漢籍国際学術研討会
  • [学会発表] 前近代東アジアにおける術数文化の伝播・展開―ベトナムと日本・中国を中心として2017

    • 著者名/発表者名
      水口幹記
    • 学会等名
      立教大学日本学研究所主催「前近代東アジアにおける術数文化の伝播・展開―ベトナムと日本・中国を中心として―」
  • [学会発表] 祥瑞災異と改元―醍醐朝の延長改元を中心に2017

    • 著者名/発表者名
      水口幹記
    • 学会等名
      歴博国際シンポジウム「年号と東アジアの思想と文化」
  • [学会発表] 中国古代の聖人と奇瑞2017

    • 著者名/発表者名
      佐々木聡
    • 学会等名
      「現代アジアにおける聖者崇拝の諸相」第1回研究会
  • [学会発表] 近世社会における発病書の受容と展開―元刊『陰陽備用選択成書』疾病門を起点として2017

    • 著者名/発表者名
      佐々木聡
    • 学会等名
      日本中国学会
  • [学会発表] 越南漢籍に見える天文五行占の受容2017

    • 著者名/発表者名
      佐々木聡
    • 学会等名
      日本学研究所第59回研究例会「東アジアにおける術数文化の伝播・展開―ベトナムと日本・中国を中心として」
  • [学会発表] 異と常―怪異概念の比較と深化のために2017

    • 著者名/発表者名
      佐々木聡
    • 学会等名
      東アジア恠異学会
  • [図書] 古代文学と隣接諸学⑩「記紀」の可能性2018

    • 著者名/発表者名
      北條勝貴(「〈水辺の憂女〉の古層と構築ー『古事記』『日本霊異記』の向こう側を探る」)
    • 総ページ数
      541
    • 出版者
      竹林舎
    • ISBN
      ISBN-13: 978-4902084498
  • [図書] 日本古代の氏族と政治・宗教2018

    • 著者名/発表者名
      水口幹記(「出迎えられる僧―菩提僊那・行基・鑑真」)
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      雄山閣
    • ISBN
      ISBN-13: 978-4639025580
  • [図書] 日本古代交流史入門2017

    • 著者名/発表者名
      水口幹記(「『日本国見在書目録』誕生の素地・背景―書物の収集・伝来・受容を考える」)
    • 総ページ数
      573
    • 出版者
      勉誠出版
    • ISBN
      ISBN-13: 978-4585221616
  • [図書] 東アジアの仏伝文学2017

    • 著者名/発表者名
      水口幹記(「絡み合うモチーフ―『大雲寺縁起』所載、成尋の日本での奇瑞をめぐって」)
    • 総ページ数
      832
    • 出版者
      勉誠出版
    • ISBN
      ISBN-13: 978-4585291312
  • [図書] 日本文学の展望を拓く3・宗教文芸の言説と環境2017

    • 著者名/発表者名
      水口幹記(「蘇民将来伝承の成立―『備後国風土記』逸文考」)
    • 総ページ数
      386
    • 出版者
      笠間書院
    • ISBN
      ISBN-13: 978-4305708830

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公開日: 2018-12-17  

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