研究課題/領域番号 |
16K02222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
佐藤 文子 佛教大学, 公私立大学の部局等, 非常勤講師 (80411122)
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研究分担者 |
宮嶋 純子 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (80612621)
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研究協力者 |
池 美玲 韓国綜合芸術大学, 美術院, 講師
大西 和彦 ベトナム社会科学院, 宗教研究院, 研究員
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 霊魂 / 固有信仰 / 死者供養 / 国際交流 |
研究成果の概要 |
儒教優位の社会では、生者が決定している規範秩序が強力な力を持つために、死者の格付けが生者の秩序に支配されてきた。そこでは生者が規定する観念に対応して女性においては未婚死が男性においては敗北死が、特別な扱いを要する不遇死(危険なたましい)と捉えられてきた。この研究ではこれらとの比較において日本社会にさまざまな変則が生じていることが判明した。日本では生者の秩序の影響力が緩やかであるために死者の人格を再編成する規則が成立せず、この欠落が生活や価値観など日本社会の思想全般に影響を与えた。
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自由記述の分野 |
日本宗教史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の文化現象の歴史的展開をアジア文化のグラデーションのなかで捉え直すことで、従来日本固有とだけ説明されてきた事柄に具体的生成過程があることがあきらかになった。日本の宗教が第一義として〈死の様式〉であることは、西欧的宗教概念に照らして低く評価されてきた。しかしながらこれは、アジアにひろがる魂魄観を前提としながら、自分たちの社会の特性に応じて変容・発展し、現在にまで至ったものである。このことを洞察し的確に捉えていく作業は、こんにち異文化と共存しうる社会を実現するうえできわめて重要である。
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