研究実績の概要 |
体積計算の教材に必要な要素を整理し,組木を使い拡張現実により組み立て時の支援の有効性を図るために実験と分析を行った.「拡張現実を用いた組立支援の可能性」は民間の家具企業も近年,取り入れているが,部品を1つ1つ組み立てる支援ではなく,通常の組み立て図をスマートフォン等の端末で表示させる方法が主である.したがって,ユーザーは組み立て図よりも容易に作業が行えるが,組立をより,正確に且つユーザーにストレスなく,組み立てるには,部品1つ1つに拡張現実を読み取るマーカーを貼付けする方法が適切であると考えた.したがって,本年度は,体積計算で難易度が高いと思われる形状を拡張現実での支援の可能性を実験と分析で進めた.拡張現実は,i-phoneで起動できるようにプログラミングを行った.また,実験では先行研究で使用された組み立ての難易度が高い3種類の立体パズルを使い, 30名に対して行い,立体パズルを空間認識できるグループとそうでないグループにそれぞれ15名ずつに分かれて行った.実験では全てビデオによる撮影を行い,実験後には被験者全員にアンケートで組み立てプロセスでの課題点等をヒアリングした.分析では被験者が立体パズルを間違って組み立てた原因や組み立てる際の持続時間,エラー数,部品の回転回数等の要素を見つけるために,撮影した映像を解析し被験者の組み立てる際の行動や拡張現実の効果を把握するために,部品同士の空間認識の変化を統計的に分析した.
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