研究課題/領域番号 |
16K02231
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
加藤 有希子 埼玉大学, 教育機構, 准教授 (20609151)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生命と非生命 / ブリジット・ライリー / 色彩 / 毒 / 21世紀 |
研究実績の概要 |
2017年度、2018年度と国内外の芸術祭を中心に、芸術と生活の融合について考察し、論文などを執筆してきた。しかし2018年度末でだいたいそのミッションを終えたため、2018年度初めから、イギリスの抽象画家ブリジット・ライリーにおける、フランス19世紀の画家ジョルジュ・スーラとの関係性を探求してきた。これは彼らに共通する近代的な孤独への対応や、点描というデジタル的な表象方法から、21世紀の私たちの生き方を探る方策である。2017年度までで、一連の芸術祭の研究を終え、再びアーティスト研究から、芸術と生活の融合をトピックに研究を進めてきた。精力的に研究を進め、講演会を3件、論文執筆を2件行った。 デジタル的言語や孤独といったものは、私たちが生きる21世紀も依然として支配しているある種のディスクールである。そうした事柄を深く掘り下げていくことにより、私たち自身が生きるヒントにしていくことができ、芸術祭だけに限らない、芸術と生活の融合の実現に役に立つだろう。 現在は、SNSなどの発達、インスタ映えの評価など、近年は生活の中に美的な要素が非常に求めらえるようになってきた。そうした中で、芸術と生活の融合は重要なトピックと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画していた各地の芸術祭の研究は、2017年度でほぼ終えてしまった。むろん芸術祭は各地で現在も続いているが、必ずしも独創的なものはなく、また独創的なものがないことが、芸術祭の主眼ということもあり、研究の意義が必ずしもあるとは言えないため、芸術と生活の融合に関して、よりケーススタディー的に、ブリジット・ライリーや児玉幸子らのアーティストの研究を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
2018年9月に調査したブリジット・ライリーの病院壁画に関する論文を書き、芸術と生活の融合の研究を進めたい。またアメリカ20世紀の美術における孤独の概念をさぐることで、21世紀を生きる私たちのヒントとして、芸術と生活の結節点を探りたい。
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