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2018 年度 実績報告書

中国中世石刻資料から見る水運と埋葬の連鎖

研究課題

研究課題/領域番号 16K02239
研究機関愛媛大学

研究代表者

東 賢司  愛媛大学, 教育学部, 教授 (10264318)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード墓誌 / 石刻 / 水運 / 埋葬 / 篆書 / 楷書 / 北魏 / 隋
研究実績の概要

本研究は、中世の石刻資料、特に河北地方で出土した墓誌・墓誌銘資料を中心に、墓誌の書と河川には関連性があるのかどうかをテーマとしたものである。主たる研究としては中国でのフィールド調査とその分析である。2018年度内には、4回の現地調査を行った。主たる地域は、西安、鄭州、洛陽、石家荘とその周辺の地域である。今年は墓誌石と同時に作られる墓誌蓋石に注意をした。というのもいわゆる墓誌は墓誌石と墓誌蓋石の2石によって構成されることが多いが、実際に墓誌蓋に視点をあてた研究は少ないからである。墓誌と河川の関係性を追求するとしても、墓誌蓋石の出土状況や資料名称は十分に整理されていない状況にあり、南北朝から隋代にかけての資料を包括的に整理しておく必要があった。整理の結果、墓誌石に北魏の年号が刻まれる墓誌蓋石は65件、北斉は77件、北周は48件、隋(開皇年間まで)は99件の資料を把握できた。
これらの形式的な変化を①北魏、②北斉北周から隋について追った結果、①については、北魏の資料は初期のものこそ楷書で書かれる資料が多いが、次第に篆書が用いられるようになり、特徴的な筆法も目立つようになってくること、これらの特徴は北斉に受け継がれることを確認した。また②については、隋を起点としてみると、北斉の技法は受け継がれているが、北周についてはあまり受け継がれていないことも明らかになった。地政学的に考えてみれば、隋代になると煬帝の運河開削政策により、山東省(あるいは更に南部の地域)から、数本の運河を使って西安まで物も人も移動をすることが前時代よりも容易であったはずだが、結果的に同じ西安という地に拠点のあった北周と隋の資料に一致が少ないことが確認できた。このことにより、外形的な特徴から見れば、北魏、北斉、隋と技術伝達・書法伝達が行われ、水運によると思われる書法伝達がかなり強く表れたことが明らかにできた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 北魏・北斉から隋への石刻作製技術の伝承―墓誌蓋の形式的変化を追う―2019

    • 著者名/発表者名
      東賢司
    • 雑誌名

      全国大学書道研究

      巻: 12 ページ: 17-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 墓誌研究序論2019

    • 著者名/発表者名
      東賢司
    • 雑誌名

      愛媛大学書道研究

      巻: 9 ページ: 1-13

  • [学会発表] 北魏・北齊から隋への書法伝達-墓誌蓋の変化に注目して-2018

    • 著者名/発表者名
      東賢司
    • 学会等名
      全国大学書道学会臨時発表会
  • [備考] 東賢司公式HP

    • URL

      http://www.higashi-kenji.com/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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