オペラ上演記録の分析とそれに伴う可視化の結果、今まで見えにくかったオペラ文化の移入の実態と外来文化に対する日本特有の文化風土の特徴を明らかにしたことで、戦後の日本のオペラ文化史的な研究に寄与する視覚資料となることが期待される。この分析作業を起点にした劇(物語)構造及び劇空間の分析と考察では、舞台美術という造形的側面からオペラ受容の実態が明らかになり、受容の変遷が概観できる視覚資料として舞台美術から見たオペラ研究の第一歩となり、我が国の先行するオペラ研究(音楽的、演出的研究)と相まって、より総合的なオペラ研究が可能となった。
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