本年度は、①2019年9月13日(金)から17日(火)に、琉球華僑総会八重山分会が、名蔵御嶽で執り行う「土地公祭」の調査を、②2019年11月1日(金)から3日(日)に、石垣市内でおこなわれた「石垣島まつり」の踏査を、③2020年2月27日(木)から3月1日(日)に、聞き取り調査をおこなった。 ①「土地公祭」は、台湾で信仰されている、その土地を守る神である「土地公」に、豚をささげて安寧を祈る祭りで、琉球華僑総会八重山分会が、重要視して毎年おこなってきている祭祀である。「名蔵御嶽(なぐらうたき)」という、石垣の人々にとって(台湾系住民に限らず)神聖とされる場所(神社のような祠が作られている)でおこなわれる。宗教的なプログラム(祈りを捧げる、紙幣を模した紙を燃やす、など)だけでなく、歌や踊りなど芸能を演じ、参加者の交流(分会会員同士、分会会員と非会員の)を図る、という意図もある。筆者はこれまで数回、「土地公祭」を訪れたが、そのなかで最も参加者が多く(約100名ほど)、プログラムが充実した、盛大なものであった。②「石垣島まつり」での、華僑総会八重山分会青年部による、「龍踊り」の参加を期待したが、今回も不参加であった。担い手となる世代が、仕事や子育てで多忙であり、分会の活動に時間や労力を割くことができないという背景があった。③八重山台湾親善交流協会の会長と事務局長、琉球華僑総会八重山分会前会長に聞き取りをおこない、それぞれの活動の経緯や現況について教示を受けた。
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