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2019 年度 実績報告書

ローマを訪れた北方芸術家の人的ネットワークに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02272
研究機関京都市立芸術大学

研究代表者

深谷 訓子  京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (30433379)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードバロック / ローマ / 17世紀美術 / イタリア美術受容
研究実績の概要

最終年度となる本年は、バロック初頭のローマにおいて、ファン・バビューレンやホントホルストといったオランダ人画家たちの最初のパトロンがスペイン人だった事実に着目し、改めて、オランダ人画家たちがこうした親スペイン派のコネクションを獲得していった社会背景を明らかにすることに努めた。これまでの自身の研究では、教皇の建築家としてボルゲーゼ家に仕えたユトレヒト出身の建築家、ヤン・ファン・サンテン(ジョヴァンニ・ヴァサンツィオ)が最初のコンタクトのきっかけを与えたことを推測してきた。今年度の調査では、このコネクションが実際にありえたものかどうかを突き止めるため、ファン・サンテンのローマにおける活動を子細に検討した。その結果、ホントホルストと同年にローマに出てきた彼と同い年の夭逝画家ファン・ウェーデに、ファン・サンテンがローマで墓碑を提供したことが明らかとなった。また、ファン・ウェーデ家とホントホルストの師匠ブルーマールトの間に密接な関係があること、ならびにファン・ウェーデとファン・サンテンが縁戚関係にあったことも明らかにすることができた。こうしたことから、ホントホルストは師匠やおそらく同門だったファン・ウェーデを通じてファン・サンテンと知己を得ることができた可能性があったことを示すことができた。
また、こうした個人的な関係に加えて、ホントホルストと銑足カルメル会との密接な関係性にも着目し、夏季にはジェノヴァにおいて、ホントホルストが銑足カルメル会の重要な教会に制作した聖女テレサの祭壇画の調査も行った。これらの結果を、既に昨年度までに行っていたファン・バビューレンに関する知見と総合し、論としてまとめて、12月にオランダ美術史研究所で行われたシンポジウム「Going South」において口頭発表を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 物語画の構想と「読書」:フィリップス・アンゲル『絵画芸術礼賛』における「実践的な歴史の知識」2020

    • 著者名/発表者名
      深谷訓子
    • 雑誌名

      京都美術史学

      巻: 1 ページ: 65-98

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 洋の東西を繋ぐ船ーー蘭船絵馬に託された期待2020

    • 著者名/発表者名
      深谷訓子
    • 雑誌名

      京都市立芸術大学美術学部研究紀要

      巻: 64 ページ: 61-75

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Spanish Patrons of the Utrecht Caravaggisti in Italy2019

    • 著者名/発表者名
      Michiko Fukaya
    • 学会等名
      Going South
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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