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2018 年度 実績報告書

イギリスのカラーフィールド絵画の文化的背景に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02273
研究機関東京大学

研究代表者

加治屋 健司  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70453214)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードイギリス美術 / アメリカ美術 / 抽象絵画 / カラーフィールド絵画
研究実績の概要

本年度は、イギリスの現代美術雑誌であるArt News and Review誌(1961年にArts Review、1993年にArt Reviewに改名)を調査した。1949年創刊の同誌は、1950年代から60年代にかけてのロンドンの現代美術の状況を知るには最適の美術雑誌である。平成31年3月にロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館内にある国立美術図書館で、同誌のバックナンバーを1956年から65年まで全ての号に目を通して網羅的な調査を行った。当初は、ロンドンの文化状況との関係を調査するために調査を行っていたが、調査するうちに、前年度で調査したイギリスの現代美術とアメリカ現代美術の関係に関する記事が多数見つかったため、イギリスにおけるアメリカ現代美術に対する関心を示す記事を中心に調査することにした。また、ローレンス・アロウェイの活動について、アーカイヴ資料を有するゲッティ研究図書館でも調査する予定だったが、国立美術図書館で資料が入手できたため、国立美術図書館での調査のみとすることにした。
イギリスでアメリカ美術を紹介する展覧会としては、1956年にテート・ギャラリーで開かれた「合衆国におけるモダン・アート」展や、1959年に同館で開かれた「新しいアメリカ絵画」展が知られているが、他にも合衆国情報局が運営するUSISギャラリーやジョン・カスミンが経営するギャラリーのカスミン・リミテッドなどで盛んに紹介された様子が判明した。そうした展覧会に対する展評は当初はアロウェイなど限れた批評家によって書かれたが、次第に多くの批評家がアメリカ現代美術を論じるようになった経緯も判明した。ロンドンで紹介されたアメリカ現代美術の中では、抽象表現主義のインパクトが大きかったが、カラーフィールド絵画、ネオ・ダダ、ポップ・アートなど多様な動向がロンドンで紹介されていたことも判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] グロイスにおける芸術の制度と戦後日本美術2018

    • 著者名/発表者名
      加治屋健司
    • 雑誌名

      思想

      巻: 1128 ページ: 87-99

  • [学会発表] ナバホ/ノーランド・プロジェクト カラーフィールド絵画とアメリカ先住民文化2019

    • 著者名/発表者名
      加治屋健司
    • 学会等名
      共同研究「覇権主義と美学 インディアン同化政策とアメリカ現代美術」

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公開日: 2019-12-27  

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