研究課題/領域番号 |
16K02306
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
飯岡 詩朗 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (90345728)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 映画 / テレビ / ニュー・メディア / 間メディア性 / アメリカ合衆国 / 1950年代 / テレビドラマ / パディ・チェイエフスキ― |
研究実績の概要 |
本年度は、国内において、まず、メディア史の観点から、1950年代における映画とテレビの間メディア的状況に関する先行研究および同時期の映画作品・テレビ番組の調査・収集・整理を行うとともに、主に雑誌『ニューヨーカー』において、第二次大戦後から1950年代中頃にかけて、新しいメディア/家電としてのテレビ放送およびテレビ受像機がどのように言説化されたのかを、同誌に掲載されたカートゥーンを中心に整理・分析を行なった。 国内において、次に、海外での調査の準備も兼ねて、1950年代はじめ以降にテレビ界と映画界を股にかけ活躍した脚本家・劇作家のパディ・チェイエフスキーに関する国内での先行研究の調査・収集・整理を行なった。後に映画『マーティ』(1955) の脚本家として世界的に広く知られることになるチェイエフスキーは、先にテレビ・ドラマの脚本家として名声を得ており、日本では初期の自作脚本集で提起された独自のテレビ・ドラマ論も注目され、日本のテレビ・ドラマ製作者にも大きな影響を与えたとされるが、この調査により、日本におけるチェイエフスキ―の紹介者である江上照彦による独自の解釈がその影響に大きく関わっていることが明らかになった。 海外においては、ニューヨーク公立図書館において、主にパディ・チェイエフスキ―に関する一次文書のコレクションおよび1950年代前半の雑誌『TVガイド』におけるテレビの影響と芸術性をめぐる記事に関する調査・収集をおこなった。これらの調査により、日本で高く評価されたチェイエフスキーのテレビ・ドラマ論の骨子が、同時代のテレビ評論家による議論に基づくこと、さらに、映画監督を「作家」と見なすいわゆる「作家主義」へのチェエフスキ―の批判的構えが明らかになった。 本年度の成果の一部はすでに本年度末に論文として公表済みであり、さらに平成29年度にも口頭発表および論文で公表の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外における一次資料の調査については、研究代表者の渡航可能時期と資料を保管する機関の閲覧可能な時期が合致せず、訪問先は計画から変更となったが、3カ年の研究期間中の1カ年中に実施すべき質・量の調査・収集はおおむね完遂することができた。また、国内での調査・収集・整理も計画からの変更はあるものの大きな遅延はなく進んでいる。 以上により、「現在までの進捗状況」は「おおむね順調に進展している」状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今年度訪問を予定していた海外および国内の機関での一次資料等の調査・収集を実施するとともに、本来の計画よりも先行して本年度調査・収集することのできた資料の分析に注力する。また、資料の整理・分析を通して新たに必要になった資料の調査・収集も同時に進めていく。 また、研究の成果は、口頭発表や論文等を通して随時公表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
以下の3つの理由により、次年度使用額が生じることとなった。 1)購入予定だった資料が本年度内に納品不可能であったため、購入を次年度以降に先送りにした。2)国内で予定した回数の訪問調査を行うことができなかった。3)海外での調査が年度末となったため、資料整理等にかかわるアルバイトを使用することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
未使用額は平成29年度請求額とあわせて、1)平成28年度に予定していたが先送りとなった資料の購入、2)平成28年度中には実施できなかった国内での訪問調査、3)平成28年度に予定していた資料整理に関わるアルバイトの使用の以上3点で、使用を計画している。
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