研究課題
基盤研究(C)
本研究では、日本と植民地朝鮮を中心とする東アジア地域におけるサウンド・メディアの発達史を、それを巡る言説の分析を通じて再検討・構成した。1920年代から1930年代にかけて、トーキー映画を中心としたサウンド・メディアの展開が、日本と朝鮮の産業関係者と批評界の評論家たちにどういう形で論じられ、理解されていたのかを調査した。その結果、トーキーは技術的には米国から輸入されたものであっても、その実践には日本と朝鮮それぞれのローカルな産業的・文化的条件が作用していたことが確認できた。
映画学
今まで技術の発達史として理解されてきたサウンド・メディアの歴史を言説の観点から理解することができる。またその言説の内容を通して、東アジアにおけるサウンド・メディアの発達が米国・日本・朝鮮・中国を巡る国際的かつローカルなレベルでの多層的な過程であったことも理解できる。