研究課題/領域番号 |
16K02310
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
平芳 裕子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (50362752)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ファッション展 / 美術館制度 / 展覧会史 / 展示表象 / 女性表象 |
研究実績の概要 |
本研究は、20世紀におけるファッションとミュージアムの関係の接近において、ファッションがいかに「見るもの」として構築され、表象装置としてのミュージアムのもとに制度化されたのか、その歴史的プロセスを明らかにするものである。とりわけニューヨークのミュージアム、アメリカ自然史博物館、ブルックリン美術館、メトロポリタン美術館を対象として、衣装収集、デザイナー支援、ファッション展立案の歴史的経緯を辿ることによって、アメリカン・ファッションの確立にミュージアムが果たした役割を明らかにするとともに、文化的な枠組みとしてのファッションの「着るもの」から「見るもの」への質的変容について考察するものことを目的とする。 当初の研究計画では、研究期間3年間のうち単年度ごとに各美術館を調査する計画であったが、研究初年度にあたるH28年度において、ニューヨーク州立ファッション工科大学客員研究員としてのまとまった期間の海外調査が可能となった。そのため当初計画を見直し、H28年度には三つの美術館全てを対象とする基本調査を行うこととし、特にアーカイヴに所蔵される関連資料の全体的なボリュームの把握を行ったうえで、ファッション展確立の歴史に関する基本的な資料の実見調査と収集を行った。また関連資料を所蔵する研究機関、たとえばニューヨーク州立ファッション工科大学付属美術館および貴重資料室、ニューヨーク市立博物館、ハーバード大学付属図書館、コロンビア大学付属図書館、ニューヨーク歴史協会、ブルックリン歴史協会などにおいても同様の調査を行った。研究全体の骨組みとなる基礎的資料の収集をふまえ、資料の読解と考察を行い、調査報告を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
H28年度半期サバティカルの取得によってまとまった期間の海外調査が可能となったため、複数の研究期間の調査を同時に行うことによって、研究全体の推進に注力することができた。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度に研究全体の基本的資料を把握・収集することができたため、今後は不足部分の補完調査を集中的に実施することによって、研究成果のアウトプットに努めたい。
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