本研究では、ゲルマン国立博物館等における資料調査により、以下の点を確認した。ニュルンベルクのバイエルン産業博物館が、①見本コレクションと手本コレクション、科学技術コレクションの展示を行ったこと、②1897年館長フォン・クラマー設計による新館を完成させたこと、③新館では、万国博覧会などへの出展、新しい図案や図面の作成、新しい技術や素材の研究、特許に関わる手続きの支援など、社会からの様々な要請に対応したこと、④1901年には美術工芸マイスター・コースを新設し、美術工芸の新しい意匠に新風を吹き込んだベーレンスやリーマーシュミート、ハウシュタイン、アドラーら新進芸術家をコース長として招聘したこと。
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