研究課題/領域番号 |
16K02327
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
猪股 澄子 (白井澄子) 白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (80154350)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 児童文学 / 翻訳児童文学 / 児童文化 / 文学一般 / 絵本作家 / 書誌情報 |
研究実績の概要 |
28年度は、故光吉夏弥氏の作成した「情報カード」(光吉が独自に蒐集した情報を記し、作者・翻訳・評論などに分類していたカード)のデータ化(①)、及び、ファイリング(②)を以下の通り行った。 〔①〕45892枚の「情報カード」は、これまで光吉が保管していたままの状態で31個の木製ケースに収められていた。それらのカードを一枚ずつ点検しながら以下の項目をExcelファイルに記録した;(1)引出し番号(カードが収められていた木製ケースの番号)、(2)ファイル番号(カードを新たに収めたファイルの番号)、(3)カード番号(カードに振った通し番号)、(4)分類(光吉の分類法を記録した。カテゴリーはつぎの通り:「作者」「翻訳」「評論」「研究書」「キーワード」「旅行」)、(5)見出し語(カードの見出しに相当する語。著者名やキーワードなど)、(6)特記事項(手書きのメモのうち、検索をする際に有用だと思われるもの) 〔②〕全「情報カード」は、計132冊のファイルに綴じた。カードはそれぞれポケットクリアフォルダーに入れ、ファイルに収めてある。収納したカードが折れ曲がることのないよう、固いファイルを使用した。 〔本作業の意義、重要性〕31個の木製ケースに詰め込まれていたカードは、一旦引き出すと戻す際に順序が前後したり、紛失したりする恐れがあるため、これまで公開できずにいた。だがこのたび、全てのカードをファイルに収めることにより、容易に閲覧できる状態が整った。また、上記①の作業を通じて作成したデータにより、「情報カード」を特定の条件に基づいて縦断的に検索することも可能となった。さらに、全てのカードを点検することにより、「情報カード」に記載された情報を全貌することができた。その結果、光吉の蒐集した情報の幅広さが想像をはるかに超えており、さまざまな観点から利用することできる集積データであることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度中に全「情報カード」の一応のデータ入力が完了し、概ね計画通り進んでいる。見直し作業は着手できなかったため、平成29年度以降に行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、「情報カード」を一枚ずつスキャナーで撮影し、それをデータベースソフトに取り込むと同時に、平成28年度に作成したデータの見直しを行う。また、当センター(白百合女子大学児童文化研究センター)にて管理している光吉文庫の他の資料(約13000冊の書籍、及び、平成23年度~25年度科学研究費助成事業にて整備したファイル資料)との関連づけ作業を行うことにより、「情報カード」のデータを仕上げていく。 平成29年度は複数の作業を同時に進めていくため、それぞれの作業に適した人材を確保し、これまでより多い人員で作業を推し進めていく。 平成28年度に全てのカードをファイルに収めることができたため、人員を増やしても、カードが入り乱れたり、紛失したりする恐れはない。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度はカードのデータ入力作業を行い、すべてのカードのデータ化と、ファイリングを終了させることができた。しかし、カードに記載されている内容が専門的かつ多言語に渡るものであったため、入力に際しては、児童文学の専門知識だけでなく高度な語学力も必要と判断したことから、作業員の確保が難しくなり、想定していた人数の作業員を動員することができなかった。そのため、予定していた人件費を下回る支出となった。
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次年度使用額の使用計画 |
人件費: 平成29年度はひき続き、28年度中に入力したデータの精査と見直しの作業を行い、これと並行してカードを画像化してデータベースソフトへ取り込んだり、他の資料と関連づける作業を行っていく。これらの作業のために新たに数名の作業員を追加で雇い入れる。当初試算していたよりもカードの枚数が多かったため、必要な場合は年度の途中から更に人員を増やす。 物品費:入力データを見直した結果、ファイリングしたカードを多少並べ替える必要があると思われるため、その作業に必要なファイルやポケットクリアフォルダーなどを更に購入する。
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