本研究では、戦後日本の児童書出版界において中心的な役割を果たした故光吉夏弥(1904-89)が所蔵していた絵本、児童書、児童文化関連資料のうち、光吉が蒐集した情報を記録した「情報カード」45,909枚の調査、整備を行い、カード記載の情報とその画像をデータベース化した。その結果、光吉が戦前、戦後に蒐集した国内外の児童文学・文化に関する膨大な情報を一望できるようになった。また、これまで31個の木箱に収納され、取り出しにくかった「情報カード」をファイルに収めることにより、容易に閲覧できるようになった。これにより、絵本や児童書の研究、出版、翻訳に携わる人々が活用できるデータの基盤を築くことができた。
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