研究課題/領域番号 |
16K02329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
芸術一般
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
森 覚 大正大学, その他部局等, 非常勤講師 (00646218)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 仏教絵本 / ブッダ / メディア / 宗教表象 / イメージ / 再話 / 再生産 / イデオロギー |
研究成果の概要 |
本研究で明らかにしたのは、近代日本の仏教絵本で表現されてきたブッダのイメージは、実在の本人そのものではなく、あくまでもメディアで表現される似姿(代替)であり、必ずしも過去に実在したブッダを忠実に再現するものではないということである。むしろ絵本でみられるブッダ像は、時代とともに移りかわる思想や価値観などを反映しながら、人々の願望に応じて創出される。 また、メディアのブッダ像は、真実と虚構とが入り混じる記号であり、メディアを介してそれに接した諸個人に作用し、人々の思考・行動・感情を操るイデオロギーであること、さらには、国家や教団などといった共同体の集団意識や行動原理の拠り所となる「神話」になり得る。
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自由記述の分野 |
表象文化論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の人文学分野では、メディアによって形象化されるイメージの議論が盛んに進められている。本研究は、仏教絵本で表現されるブッダのイメージから近代以降の人々に共有された仏教観がいかなるものであったか、またそうしたイメージは、メディアを通して人々へどのような影響を及ぼし、新たな仏教文化を形成したのかを明らかにする点に学術的意義がある。 イメージが個人や集団の思考・行動・情動に与える影響については、宗教文化にかぎらず、メディアを通して発信するPR、ブランディング、観光政策などでも扱われる問題である。本研究の社会的意義は、人文学に留まらないさまざまな領域のイメージ研究に応用できる点に見出せると考える。
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