研究課題/領域番号 |
16K02339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
芸術一般
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
川口 幸也 立教大学, 文学部, 教授 (30370141)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アフリカの同時代美術 / エル・アナツイ / 固有の歴史、文化 / 地声のかたり / 文化的インフラの整備 |
研究成果の概要 |
ナイジェリアの地方都市ンスカを拠点に、地域の歴史と文化を踏まえて世界的な活躍を見せる彫刻家エル・アナツイの声望は今日ますます高い。本研究は、アナツイの作品の独自性が、制作に携わる作業員との共同作業を通した、地元の共同体との密接な繋がりに根差していることを詳細かつ包括的に解明した。一方で、老境にあるアナツイの遺産を次の世代がどう受け継ぐのか、また、美術館など、依然として未整備な芸術文化のインフラをどう整えていくのかといった、今後への課題があることも明らかにした。 近い将来、アフリカの経済発展が見込まれる中、自らの芸術文化を、アフリカの視点で語っていくという営みが極めて重要な意味を持つと思われる。
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自由記述の分野 |
アフリカの同時代美術、展示表象論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エル・アナツイの作品はどれも、制作に携わる地元の作業員との共同作業の成果である。その作業の過程は、アナツイの作品が土地の歴史と文化に深く根ざしている事実を裏書きしている。本研究は、そうした共同作業の過程が、彼の作品に際立った独自性をもたらしていることを実証的かつ包括的に明らかにした。この成果は、内外を問わず、今後の芸術文化の在りようを考える際に、学術的にも社会的にも大きく貢献するだろう。この先、本研究による新たな知見を多彩な機会に発信し、広く共有することを通して、エル・アナツイおよびアフリカの同時代美術への関心が高まり、ひいては美術という枠組みが欧米を超えて多元化していくことが期待される。
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