研究課題/領域番号 |
16K02341
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤井 慎太郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10350365)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 演劇学 / 現代演劇 / ドラマトゥルギー / ドラマトゥルク / 演出 / 文化政策 / 劇場制度 |
研究実績の概要 |
2017年度は、シンガポールのセンター42およびエスプラナードで開催されたアジアン・ドラマトゥルク・ネットワークの設立記念シンポジウム(英語による発表2件)、オーストラリアのメルボルン大学で開催されたパフォーマンス・スタディーズ・インターナショナルの年次大会(英語による発表)、早稲田大学で開催された日仏国際演劇シンポジウム「越境する 翻訳・翻案・異文化交流」(企画実行委員も務めた)、明治学院大学で開催されたシンポジウム「アングラ・小劇場演劇の課題」において、研究成果を口頭で発表した。 出版された研究成果としては、雑誌『地域創造』、鈴木理映子(編)『現代演劇のレッスン 拡がる場、越える表現』、日仏国際演劇シンポジウム成果報告集(上記の口頭発表をもとに論文にまとめたもの)に論文・論考を発表した。ITI(国際演劇センター)が発行する『国際演劇年鑑』に掲載された論考「フランス演劇の2016年 <テロ以後>の舞台芸術の行方」にはフランス研究出張の成果が生かされている。また、ワジディ・ムワワド作『岸 リトラル』の上演のために戯曲を翻訳した。現代演劇のテクストのドラマトゥルギーの変容を特徴づける「フィギュール」概念について論文を執筆中であるほか、2018年3月に刊行予定の日本演劇学会紀要のドラマトゥルギー特集号の責任編集を務めることとなり、その準備を進めている。 そのほか、フランス、ベルギーから4名の演劇実践者(ホームレスをめぐる現代ドキュメンタリー演劇を演出するドミニク・フェレ、現代サーカスの演出家ジョアン・スワルトヴァゲール、戯曲/テクストを必ず取り上げつつも、演出家をおかないことで知られる俳優集団tg STANのフランク・ヴェルクルイセンとヨレンテ・ドゥ・ケースマイケル)を講師に迎えて、舞台芸術の実践の見地からドラマトゥルギーを再考する公開研究会を3回にわたって開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画に関連して、4つの国際研究集会(うち2つは国外)で成果を発表し、複数の論文・論考を出版するなど、順調に成果を上げていると判断される。だが、いささか学会発表の数が多すぎて、論文の執筆に時間を確保することが難しかったことが反省点である。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度には学会発表を引き受けすぎてしまったため、2017年度は学会参加・口頭発表の数を抑えて、論文の執筆により力を入れて取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
tg STANの俳優を講師に招いた研究会開催のための費用が不足しそうになったため、前倒し支払い請求を行ったが、実際の不足額が請求額を下回ったため、余剰が生じたものである。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の理由のために、2017年度の配分額は実際には当初よりも減少しているため、問題なく費消予定である。
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