研究課題/領域番号 |
16K02350
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研究機関 | 大阪経済法科大学 |
研究代表者 |
金 貴粉 大阪経済法科大学, アジア太平洋研究センター, 研究員 (20648711)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 植民地期朝鮮 / 書芸家 / 近代書道史 |
研究実績の概要 |
本年度は、当該研究課題である植民地朝鮮における職業書芸家の「書」認識を明らかにするため、まず①植民地期朝鮮における職業書芸家の誕生とその背景の解明、②現存する職業書芸家の作品や関連資料の所在の調査・確認を行うことを主目的とした。 具体的には国内では佐野市郷土博物館、国立国会図書館を中心に作品や書芸家に関する文献調査を行い、海外では韓国(釜山博物館、釜山市立美術館、朝鮮通信使歴史館)、台湾(故宮博物院、高雄市立美術館)において実地調査を行った。特に佐野市郷土博物館においては須永文庫に残されている朝鮮書芸家の作品を実測、資料撮影を含めて複数回に分けて調査を行うことで、当時関係性のあった日本人書画人たちとの関係や朝鮮人書画人たちによる活動、さらに朝鮮人書芸家の位置づけを明らかにすることができた。 さらに台湾では植民地期朝鮮人書芸家たちが影響を受けた清朝の作品調査によって、同時期の漢字文化圏における関係性を明らかにする重要な知見を得ることができた。 また、国内の関連学会(書学書道史学会、韓国朝鮮文化研究会)において専門の研究者等から当該研究内容に関する意見交換を行うことで、書道史や朝鮮史研究の観点から、研究を進展させるために非常に有意義な意見を頂戴することができた。従来の研究では植民地期における朝鮮書芸が「衰退の一途を辿った」というなかば通説化した認識があったが、本年度、植民地期朝鮮における社会・政治的背景を前提に入れるとともに日本・中国などとの関連から調査・研究を行うことでその通説に疑義を呈するものとなることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の課題遂行において、国内、海外調査ともに順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の計画通り、国内、国外において現存する職業書芸家の作品や関連資料を調査・確認し、作品分析を引き続き行うことで「書」認識を明らかにする。さらに同時期の日本人書家による朝鮮書芸作品への評価や関係性について調査し、日本人による「書」認識の影響がいかなるものであったのかを明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に調査を行った台湾旅費分が加算されていないため。また、当初予定していた韓国調査の日にちが短くなったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度では、引き続き書芸家の書認識を明らかにするための国内と海外における実地調査費や、調査補助員の人件費、関連書籍費、その他消耗品費として使用する。
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