朝鮮王朝時代まで朝鮮の「書」は、伝統的枠組みの中で歩みを続けてきた。しかし、植民地期以降、日本を介した「美術」の導入によって、本来区分が厳しくなかった書画は「書」と「画」に分離させられることになった。果たして、日本の植民地化以降、「書」は朝鮮においてどのように認識されるようになったのか。 本研究では「衰退の一途を辿った」とするなかば通説化した旧来的な見方に変更を加え、この時期に登場する職業書芸家の「書」認識を個々の具体的な活動や作品、当時の日本書道界との関わりを具体的資料から検討することによって明らかにした。
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