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2019 年度 実績報告書

芸術経済指標GAPの新規策定による厚生芸術の実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02355
研究機関栃木県立美術館

研究代表者

山本 和弘  栃木県立美術館, 学芸課, 主任研究員 (30360473)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード芸術経済学 / 芸術神話 / 市場 / 貧困 / 富裕層セクター / 芸術の贈与 / 芸術の有用性 / ヨーゼフ・ボイス
研究実績の概要

新規経済指標GAP(GrossArtistProduct)は、グローバル経済時代にエスタブリッシュされたアーティストの芸術・経済的な成功要因を数値によって明確化することにより、芸術的価値を経済的価値に変換しうるシステムを確立することを目的とする。そのことによって、定性的な芸術的価値を定量的な経済的価値に変換し、GDPを押し上げる経済セクターとして社会化する。すなわち芸術セクターが、芸術経済学者で本研究協力者のH.アビングのいう例外的経済ではなく、経済セクターであることを明らかにする。
方法論は、世界のエスタブリッシュされたアーティストへの直接サーベイの実施によって、成功に寄与する要因をクラスター分析して、芸術的価値を経済的価値に変換しえないでいるアーティストおよび作品を社会的に上場することであった。しかし20世紀末-21世紀にエスタブリッシュされたアーティストは、その多くの要因を秘匿して開示しないと同時に、自身の成功の要因を明確化しえない現状が明らかとなった。それは意図的な隠匿ではなく、「芸術神話」という非科学的幻想を共有・信奉する集団(アーティスト、ディーラー、コレクター、ジャーナリスト、批評家、キュレーター、ファン)による極めてあいまいな諸要因の突然変異的結合によって生じる事象であり、計量経済的には調査しえない困難性を伴うことが判明した。
本研究は前述のアビングの最新研究『芸術は特殊なものではなくなっているだろうか?』(2019)と同期する。芸術的価値と経済的価値が相反するものではなく、「アートワールド志向芸術」という一ジャンルが、芸術的価値を装いながら経済的価値と表裏一体となっている状況を経済学的かつ社会学的に証明した。
よって本研究はGAPを従来の芸術的価値と経済的価値を超え出た歴史的に確立された芸術的成功をGreatArtistProgrammとして再定義した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ヨーゼフ・ボイス研究《カプリバッテリー》2020

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 雑誌名

      袴田京太朗展カタログ

      巻: 1 ページ: 3-4

  • [学会発表] ヨーゼフ・ボイス研究《カプリバッテリー》2019

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 学会等名
      カスヤの森現代美術館
    • 招待講演
  • [図書] 厚生芸術の実践的研究2020

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 総ページ数
      68
    • 出版者
      科学研究費報告書

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公開日: 2021-01-27  

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